昨年のリベンジを果たした優勝だけに喜びもひとしお(撮影:鈴木祥)

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キム・ハヌル(韓国)の優勝で幕を閉じた「サイバーエージェントレディス」。昨年大会のプレーオフで、1mのパーパットを決められずに敗れたリベンジを見事に決めた、“スマイル・クイーン”の躍動を上田桃子らを指導するプロコーチの辻村明志氏が振り返る。
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■相性の良さがものを言ったハヌルの優勝 理由はアイアンの精度の高さ
昨年より静岡県のグランフィールズ カントリークラブが舞台となっている今大会。ハヌルや鈴木愛と言った去年活躍した選手が今年も上位を賑わせた。
「このコースは1つのグリーンに多くの面があり、面をキャッチするアイアンの精度が求められました。パーオン率ではなく、いかに同じ面につけられるか。それが上位に行く秘訣でした」。それがハヌルにはあると続ける。「彼女はアイアンが上手い。ねじれの少ない高い球を打てるのです。だから落ちた地点からボールがあまり動かない。面を狙える強さがあるから2年連続でプレーオフまで残れているのです」。
アイアンの精度についてより細かく解説する。「精度の高さを生み出している理由の1つが、ハヌルプロがオフに取り組んでいる“バンカー叩き”です。手首のスナップを効かせて、ウェッジを砂に振り下ろすという練習で、これによりきちっとしたクラブの入れ方、そして硬い面を捉える力が昨年以上に身に付いていますね。最近の芝は特に硬いのですが、その硬い芝でも芝の下にヘッドを入れることができています。これが“ハイボールの肝”なのです」
昨年の「LPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ」を優勝したときはパッティングに迷いがあったがそれも今は問題ないようだ。「センターシャフトのパターを完全に手中に入れているように思います。相性の良い大会でしっかりと結果を出せるのは実力はもちろん、全体的に調子が良いからに他なりません」
■ショット力向上の鈴木愛 秘密は“股関節”にアリ!
一方ハヌルにプレーオフで敗れた鈴木愛。今季未だ未勝利の鈴木だが、ショットの精度は昨年以上だと辻村氏。「オフから取り組んでいるショットが結果を出しているな、という印象です。それは数字にも表れていて、昨年29位だったパーオン率は現在12位。飛躍的に順位を上げています」。
要因は下半身の使い方だ。「昨年は低重心だったけど、股関節の深みが足りない印象でした。それが今年は股関節でクラブを動かせるようになったことで、バックスイングで右足に乗った圧を左足の深い位置へ移動できるようになっています。それにより手元でラインを出すというよりも、下半身でラインを出す感じになっています。何が良くなったってインパクトの“音”が良くなりました。パシャンと上ずった音が出ることがあった昨年に比べて、今年はズトンという深いところから出ている音になりました。この変化がショット力向上に大いにつながっています。あとはパターと噛み合ってくればすぐに優勝できるでしょう。また、パーオン率がトップ5に来るレベルになれば女王も見えてくると思います」
■東コースから西コースへと変わった今季初メジャー 有利なのは…
最後に今週開催される今季メジャー初戦「ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ」について。今年は2014年以来となる西コースでの開催となる。このコース変更について語ってくれた。
「やはり飛距離が出る人が有利という印象を受けます。私の感覚ですが東よりも西の方が広く見えますね。もちろん林間コース特有の狭さはありますが、ラフも短めでした。そしてもう1つ、このくらいの時季からフライヤーが出始めます。グリーンはかなりの固さと速さがありますから、2打目がミドルアイアンとショートアイアンでは止まり方が変わってきます。このあたりも飛ばし屋のアドバンテージと言えるでしょう」
ただし、飛ばせばよいというものではないのがメジャーのコース。「飛距離と同じくらい経験がモノを言うと思います。このコース特有の攻め方があり、手前なら絶対OKというわけではなく右に打った方が良いケースも多々あります。次を狙う戦略をしっかりと立てて、精度の高さで狙い通りに打っていけなければメジャータイトルは手に入りません」
注目すべきは「ここまでの試合で好成績を挙げている選手」と言う。「シード組、QT組問わずほとんどの選手がオフの時点から前半戦で照準を絞っている大会です。とは言え誰でも良いスコアが出せるものではありません。これまでに何かしらの数字の裏付けがある選手が上位をにぎわす可能性が高いでしょう」
解説・辻村明志(つじむら・はるゆき)/1975年9月27日生まれ、福岡県出身。ツアープレーヤーとしてチャレンジツアー最高位2位などの成績を残し、2001年のアジアツアーQTでは3位に入り、翌年のアジアツアーにフル参戦した。コーチ転身後はツアー帯同コーチとして上田桃子らを指導。上田の出場試合に帯同、様々な女子プロのスイングの特徴を分析し、コーチングに活かしている。プロゴルファーの辻村明須香は実妹。ツアー会場の愛称は“おにぃ”。
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