英国人女児マデリン・マクカーンちゃん失踪事件が起きたポルトガル南部プライアダルスの宿泊施設(2017年4月28日撮影)。(c)AFP=時事/AFPBB News

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【AFP=時事】英国人女児マデリン・マクカーン(Madeleine McCann)ちゃんが失踪してから3日でちょうど10年となる。事件が起きたポルトガル南部のリゾート地プライアダルス(Praia da Luz)は、謎に包まれたこの事件の影にいまだに苦しんでいる。

「正直、住民たちはみんな疲れ切ってしまっている。10年も経ったのだから、全て忘れてしまいたい。この事件によって、この美しい場所に悪いイメージが付きまとうのは残念。まったく不公平だ」──そう語るのは、英退役軍人のロン・クラークさん(68)。

 また英ロンドン(London)出身で、この町に45年間暮らしているという作家のデービッド・S.ジョーンズ(David S. Jones)さんも、「プライアダルスがこんな目にあうのはおかしい。偽ニュースが多すぎる」と語気を強めた。

 宿泊施設「オーシャン・クラブ(Ocean Club)」の部屋5Aのブラインドは閉じている。マデリンちゃんは2007年5月3日、両親が近くのレストランで友人らと夕食をとっている間にこの施設から姿を消した。4歳の誕生日を迎える数日前のことだった。

 事故か誘拐か、それとも殺人事件なのか? 10年の歳月が流れ、ポルトガル警察やロンドン警視庁(Scotland Yard)による捜査や捜索活動には膨大な時間と人員が投じられたが、事件はいまだ謎に包まれたままだ。

 両親のケイト・マクカーン(Kate McCann)さんとゲーリー・マクカーン(Gerry McCann)さんは、娘が誘拐されたことを確信しており、「どんなことがあっても」探し出すと断言している。失踪から10年が経過するのを前に母親のケイトさんは、「恐ろしい年月の節目。失われた時間」とフェイスブック(Facebook)に書き込んだ。

 英警察は、2011年に新たな捜査に着手したが、2015年にその規模を縮小。またロンドン警視庁は今月、捜査の「重要な」線を追い続けていると明らかにしたばかりだ。

■「失われた時間」

 ポルトガル南部アルガルベ(Algarve)のこのリゾートと漁業の町には数多くの英国人が暮らしており、総人口3500人のうち3分の2を占める。しかし、マクカーン夫妻の支援者はあまりいないように見受けられる。

 マクカーン夫妻が足しげく通ったプライアダルスの石畳の通りや白しっくいの教会付近にも、金髪の少女の写真はもうない。

 マデリンちゃん失踪事件が起きてから数年間、おびただしい数のメディアの存在が休暇を楽しむ人の足を遠のけ、特に家族連れはこの場所を敬遠するようになった。

 ヌノ・ルス(Nuno Luz)副町長は、「ホテル業界は3〜4年の間不振だった。オーシャン・クラブは大勢の顧客を失い、それが他のホテルにも波及した」と当時の苦しい状況を説明した。

 ルス副町長によると、近年はようやく訪れる観光客の数が再び増え始めたという。
【翻訳編集】AFPBB News