現地時間の2017年5月1日、民間ロケット開発・打ち上げ企業のSpaceXが新たな打ち上げミッションを実施してYouTubeでライブ配信を行いました。今回のミッションではアメリカ政府の委託により軍事衛星「NROL-76」が打ち上げられているため、実際の人工衛星がどの軌道に投入されるのかを判断させないために第2段ロケット以降の様子は公開されていないのですが、その代わりに第1段ロケットが地上に戻って着陸するまでの様子をタップリ見ることができる内容になっています。

NROL-76 Launch Webcast - YouTube

フロリダ州ケープカナベラルのケネディ宇宙センター第39複合発射施設のLC-39A発射台で打ち上げを待つFalcon 9ロケット。4月30日に予定されていた当初の打ち上げ予定がセンサー類の不具合によって延期されたため、翌5月1日の打ち上げとなりました。



カウントダウンが順調に進み、予定どおりにリフトオフして上昇するFalcon 9。かなりの搭載重量のためか、他の打ち上げと比べて加速が鈍いようにも見えます。



機体に最大の圧力がかかる「MaxQ 最大空力温度)」を経て……



再びフルスロットルで上昇。打ち上げから約1分で機速は秒速1000m(時速3600km)に達しています。



打ち上げから2分20秒後、メインエンジン停止(MECO)が行われ……



第1段ブースターの切り離しが成功。第1段ブースターは先端のスラスターからコールドガス(燃焼させないガス)を噴射して、機体の向きを反転。



ほぼ同時に第2段ロケット(左上)のエンジンが点火され、偵察衛星を載せて目的の軌道へとさらに加速を続けます。一方の第1段ロケット(右下)は反転を完了させ、着地点となるケープカナベラルの着陸パッド「LZ-1」に向けて飛行を開始。



目的地に向かう道中でも、ときおりスラスターからガスを吹いて姿勢を制御。



時速およそ3600kmという超高速で飛行中。噴射されるガスが飛び散る様子が非常に鮮明に捉えられて興味深い内容。



そして第1段ロケットは尾部のロケットエンジンを噴射し、「Entry Burn (突入燃焼)」を実施して時速約5000kmからの急ブレーキ。



直立を保ったまま、炎を上げながら逆噴射するFalcon9ロケット第1段ロケット。ものすごい勢いで速度が落ちていきます。



約30秒の噴射で機速を時速5000kmから時速2700kmに半減させて逆噴射は一旦終了。



しばらくの間、自由落下を行ってから……



着陸に向けた「Landing Burn (着陸燃焼)」を実施。1秒間に170メートルも移動する時速約600kmから再び急減速。



真下には着陸パッドが見えてきました。



4本の脚を広げ……



見事に着陸に成功。途中、姿勢や速度を調節するような段階を経ることもなく、一気に上空からピンポイントで着陸パッドに降りてくる様子は「圧巻」以外の何ものでもないと言えます。



SpaceXのイーロン・マスクCEOのInstagramでは、ロケット切り離し〜逆噴射〜着陸の様子をさらにアップにして収められた映像を見ることもできます。

Close-up of rocket stage separation, fast flip, boostback burn in a ring of fire and then landing burn Elon Muskさん(@elonmusk)がシェアした投稿 - 2017 5月 1 6:53午前 PDT