宮里のバーディパット、会場の全視線が注がれた(撮影:村上航)

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今年で58回目の開催となる伝統の一戦、「中日クラウンズ」は最終組がグリーンに上がった時点でトータル12アンダーで宮里優作と前の組の谷口徹、藤本佳則が並ぶ大混戦に。宮里のバーディパットは6メートル、最初にスライスし最後に少しフックする下りのスネークライン。この難しいパット、ボールはカップを1周して入り18番グリーンは熱狂の渦に包まれた。
選手会長は激務、調整不足の中でつかんだ優勝!
見ごたえのある勝負、日本ゴルフツアー機構のコースセッティング・アドバイザーを務める田島創志は「究極のファンサービスでしたね」と評価した。宮里は選手会長として率先してギャラリーサービスに努め、撮影エリアの新設やツアーのSNSに積極的に協力してきた。しかし、選手の本分は「第一に自分の最高のパフォーマンスを見せないといけない。2番目にファンサービスがついてくる」。サービスばかりがクローズアップされてきたが、クラウンズでは最後まで誰が勝つかわからない緊迫感のある試合が11,016人のギャラリーを魅了した。
宮里以外の選手たちも持ち味を見せた。「ツアー屈指のショットメーカーの武藤俊憲と藤本、そして片岡大育の見事なショートゲーム。なによりすごかったのは谷口さんの18番。あれは谷口さんしかできないと思います。ゾッとしましたよ。あのパッティングがまだできるんだって。あれはラインを自分で作ってましたから。メチャクチャ強く打ってるんですよ。カップが受けてるのがわかってて、自分のラインで打って最後まで自分の意思でボールをコントロールしてるんです。だから入る。それを見せつけたからこその、あのガッツポーズなんですよ」。勢いのある若手、円熟味のベテラン、プロのキャラクターが立ったからこその盛り上がりだった。
「本当にこの試合は良いところが多かった。選手が主導してやってきたファンサービスも少しづつ形になってきていて、いいパフォーマンスも見せることができた。ここだけで終わらずに、この大会を試金石にして欲しいですね」。パフォーマンス&サービス、選手たちの意識を高めようとしてきた選手会長の願いが天に届いたのかもしれない。
「和合を制するにはマネージメント力と卓越したショートゲーム。そして、プラスα=運が必要です。それを引き寄せたのは宮里選手会長のゴルフに対する思いだったんでししょうね。18番のバーディパットがまさにそれでした」。
そして、青木功と尾崎将司の影響も忘れてはいけない。「レジェンドに頼り切るのはよくないですが、お二人の存在が今のプロたちに足りないものを気づかせてくれたのでは。2日目に私もプレーを見ましたが、全盛期の雰囲気は出していたと思う。体や気持ちが追いついていかない部分はあったと思いますが、真剣勝負には引き込まれました。出ることにもリスクはあると思います。青木さんもジャンボさんも。今年のスローガン、“共に歩む”を体現してくれました。この真剣勝負が、本当のファンサービスだとボクは思います」。
このような白熱した真剣勝負とファンサービスを続ければ、きっと新しいファンを獲得できるはずだ。
田島創志/1976年9月25日生まれ。ツアー通算1勝。2000年にプロ転向し、03年『久光製薬KBCオーガスタ』で初日から首位を守り、完全優勝。青木功JGTO(日本ゴルフツアー機構)体制では、トーナメント管理委員会 コースセッティング・アドバイザーを務める。
<ゴルフ情報ALBA.Net>

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