(写真提供=SPORTS KOREA)イ・デホ

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ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)が終わって1カ月が過ぎた。

日本ではなかなか調子が上がらない筒香嘉智が「WBC後遺症」に苦しんでいるとも報じられているが、韓国では「WBC後遺症」に苦しんでいるような選手はあまり見受けられない。

1次リーグで早々と姿を消したのだからそれも当然か。

打線の主軸として期待されるも、イスラエル戦は5打数無安打、オランダ戦は4打数1安打と振るわず、最終戦のチャイニーズ・タイペイ戦でようやく2打数1安打1打点を記録したイ・デホ(ロッテ)も、3月31日から開幕した韓国プロ野球でヒットを量産し、目下4割を越える打率をマークして打率1位を走っている。

“日本ゆかり”の人物たちが活躍!?

5年ぶりに韓国球界に復帰したイ・デホは、今季韓国プロ野球の最大の目玉。WBCとは一転としてその期待通りに活躍を見せていると言えるだろう。

イ・デホの活躍もあって、釜山ロッテ・ジャイアンツの観客動員数も好調だ。昨季よりも22%増加しており、ホーム主催試合は常に平均1万5000人以上の観客が集まっている。

釜山ロッテだけじゃない。韓国プロ野球全体の観客動員数も好調だ。

4月23日には全球団の累計観客動員が早くも100万人を突破。開幕直後こそ平均観客数が1試合平均1万2996人にしかならず、1万5536人だった昨年比で16.3%と落ちたことを受けて、「WBCショックの余波か」とされたが、そのショックもどこ吹く風かいう具合なのだ。

そんな韓国プロ野球で個人的に目が向かってしまうのは、“日本ゆかり”の人物たちの活躍だ。例えば、かつて千葉ロッテ、読売ジャイアンツ、オリックス・バファローズで活躍したイ・スンヨプだ。

2012年にサムスン・ライオンズで韓国球界に復帰した“韓国の国民打者”は昨季、通算2000本安打と日韓通算600本塁打を達成。未だ健在であることを示したが、今季シーズンを最後に引退することを発表している。

チームは下位グループに低迷中だが、イ・スンヨプは今のところ打率・本塁打ともにチーム・トップ。惜しまれて去る道を選んだイ・スンヨプが、ラスト・シーズンをどのように締めくくるかという点には大きな関心が集まっている状況だ。

李鍾範の息子が新人王候補に!!

その一方で、韓国球界では新たな才能も頭角を現している。

ネクセン・ヒーローズの高卒ルーキー、イ・ジョンフ外野手がそのひとりだ。早くも新人王候補に挙げられているイ・ジョンフも、実は“日本とゆかり”のある選手である。

というのも、父親はかつて日本のプロ野球でも活躍した選手。1990年代終盤に“韓国のイチロー”という触れ込みで中日ドラゴンズにやってきたイ・ジョンボム(李鍾範)を覚えているだろうか。

イ・ジョンフはイ・ジョンボムの息子で名古屋生まれ。韓国野球に詳しいスポーツライターの大島裕史氏によると、「日本生まれの選手が韓国プロ野球でドラフト指名されたのは初めてではないか」という。

“日本ゆかり”の人物は、選手たちだけではない。

かつて北海道日本ハム・ファイターズを指揮したトレイ・ヒルマン監督を覚えているだろうか。2006年に日ハムを日本一に導いた名将は、今季から韓国プロ野球のSKワイバーンズの指揮を執っている。

開幕序盤こそ6連敗と苦しんだが、その後は7連勝に導くなどその采配やリーダーシップは注目の的だ。

韓国球界で外国人監督が誕生したのは史上2番で、日本と韓国のプロ野球で監督を務めるのはヒルマン監督が初めてのケースとなるだけに、その動向には関心が集まっている。早くも“韓国版ヒルマン・マジック”という言葉が飛び出しているほどだ。

かつて日本で活躍した選手や監督たちが、韓国で奮闘している。

選手としてはもちろん、コーチとしても韓国球界で活躍した門倉氏は、「韓国のレベルが上がれば日本も刺激を受け、結果的には日本や韓国はもちろん、アジアのレベルが上がっていく」と、韓国球界の実情と課題について語ってくれたが、はたして日本とゆかりのある選手・監督たちの活躍は、韓国球界をさらに盛り上げる起爆剤となるだろうか。

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注目していきたい。

(文=慎 武宏)