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千葉県・幕張メッセで4月29・30日の2日間にわたり、「ニコニコ動画」のコンテンツを地上に再現するニコニコ最大のイベント「ニコニコ超会議2017」が開催された。その「超囲碁・将棋」ブースでは29日、羽生善治三冠と加藤一二三九段によるトークステージを実施。最近では"ひふみん"の愛称でバラエティ番組でも引っ張りだこの加藤九段はこの日も絶好調で、会場は何度も爆笑に包まれた。

冒頭から、加藤九段がオペラの名曲「女心の歌」の一節を披露するという「将棋」関連のイベントとは思えない幕開け。羽生三冠も「公の場で加藤先生とこうやってお話をさせていただくのは初めて」と語る珍しい組み合わせとなった今回の対談は、将棋ファンにとってはなんともうれしい貴重な機会となった。トークは、視聴者からの質問をきっかけにした対談形式で進行。司会を、夫人との初めてのデートが将棋の町・山形県天童市だったという、芸能界きっての将棋好きとして知られるつるの剛士が務めた。

初めに羽生三冠の印象について聞かれた加藤九段は、当時まだ高校生の羽生三冠が加藤九段を含む名人経験者4人を破って優勝した「第38回NHK杯戦」での対局を挙げた。羽生三冠の「5二銀打ち」が伝説の一手として今でも語り継がれている対局だが、加藤九段はその前に見せた手に注目し、「あの4八玉は羽生さんの天才ぶりを初めて世間に知らしめた一手。あれは誰にもさせない手です」と熱を込めていた。

一方の羽生三冠は、「10年、20年たってもインパクトがあったと言っていただいている対局なのですが、なぜインパクトがあったのかを考えてみると、当時解説をされていた米長(邦雄)先生が、ある一手(5二銀)を私が指した時に大きな声で叫んだんですね。NHKは基本的に防音で聞こえないはずなのですが、その叫び声があまりにも大きくて対局室にまでもれてきたんですよ。当時は『なんで対局中に叫び声が聴こえてくるのかな?』と思ったんですけど、でも叫んでくれたおかげで視聴者の方の印象に残ったのでは」と別の角度からの思い出を語っていた。

さらに加藤九段は羽生三冠のほかの偉業にも言及。羽生三冠が当時最年少となる19歳2か月で、しかもタイトル戦の中でも最高峰と言われる竜王戦を制した話になると、加藤九段は思わず「すごーい!」と声を上げた。偶然だが、話題のアニメ『けものフレンズ』でお決まりのフレーズが飛び出したことに視聴者も大興奮。ひふみんがフレンズになった!と、スクリーンも一時お祭り騒ぎとなった。

視聴者からは、中学生プロとして注目の藤井聡太四段に関する話題も。「藤井四段がタイトルを制すために必要な戦法は?」との質問には、羽生三冠は「藤井さんがいままで公式戦で戦ってきた中で多いのが『角換わり』という作戦なんです。すごくはやっている作戦なのですが、これからいろんな棋士と対戦していく中でいろんな変化球も飛んでくると思うので、それにうまく対応できるかが大事になってくる」と指摘。加藤九段は「私は『矢倉』でタイトルをとった人間なので……」と、将棋の代表的な戦法である「矢倉」にこだわりをもつ加藤九段らしく、「先手の時に『矢倉』でも勝てるようになれば、タイトル獲得に近づくのでは」と語った。

終盤には、加藤九段が"ひふみん"としてブレイクしていることから、「羽生三冠にかわいらしい愛称をつけるとしたら?」という質問が。それには加藤九段が「よっちゃん」と即答。「余裕のよっちゃん」からきたアイデアだというが、提案された羽生三冠は「光栄です」と受けつつも、「加藤先生はすごく実績のある方。まさかまさか70代になられてから世間一般の人に"ひふみん"と呼ばれるような時代になるとは思っていなかった。ですので私も70歳くらいになってから名乗らせていただければ……」とかわしていた。