「まだまだ元気に働き続けたい」と89歳女性(出典:http://www.coventrytelegraph.net)

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どんなに長く働き続けたいと思っていても、様々な事情や個人の都合もあり一つの職場で何十年も勤務し続けることは難しい。しかしイギリスに、戦後から同じ職場で長年働き続ける女性がいる。このほどその89歳になる女性がめでたく勤続70年を迎え、会社全員で女性を祝ったことが英『Coventry Telegraph』や『Mirror』などで伝えられた。

英ウォリックシャー州レミントン・スパに暮らすモニカ・エヴァンズさんは、同じ職場に勤めて70年になる。このほどエリザベス女王からの祝福の言葉が綴られた手紙をもらい、「イギリスで最も長く一つの職場で勤務し続けている従業員」ではないかとされ、現在ギネス記録申請のために検証がなされているところだという。

モニカさんが、ウォリックを拠点とする飛行機の備品部分を製造するエンジニアリング会社「Kigass Aero Components」で勤務し始めたのは、第二次世界大戦が終了して1年半ほど経った1947年のことだ。

モニカさんは職場の会計係として働いており、当初は週に12シリングと6ペンス、現在でいう63ペンス(約90円)の賃金だったそうだ。家族経営のこの会社で、モニカさんは4世代の成長と変化を共に見守ってきた。現在は、モニカさんが働き始めた時の上司チャーリー・ウォードマンさんのひ孫にあたるジョアン・ウォードマン=スミスさんがモニカさんの上司となっている。

50年間連れ添った夫で今は亡きケネスさんとの間に子供がいなかったモニカさんは、入社当初からこの職場を居心地よく感じており、辞めたいと思ったことなど一度もないと話している。

勤続70年の間で、モニカさんが帳簿のミスをしたのは58年前に1度きりというから驚きだ。帳簿にたった2ペンス(約3円)をつけ忘れたそのミス以外、一度も仕事上での失敗はないそうだ。

89歳になった現在も、午前9時半から午後4時まで週に3日出勤し、パソコンで業務をこなしている。上司のジョアンさんは「モニカさんが働き始めた頃は、紙とペンしかなかった時代ですが、今は何でもインターネットでスピードアップしました。モニカさんはパソコンも使いこなしています。彼女はとても飲み込みが早いんですよ」と明かしている。

モニカさんは勤続70年を無事に迎えた心境を、このように語った。

「最近では、すぐに仕事を辞めちゃう人がいるでしょう。でも、仕事を楽しいと思えば辞める必要もないわ。私はこの職場で初めて仕事をした時のことを今でも覚えているの。19歳だったから緊張したけど、最初からとても居心地よく感じたわ。でもここで70年も働くとは予想もしていなかったけど。一旦仕事に慣れてきたら、ずっとここで働き続けたいっていう気持ちになって。もちろん退職について上司と話したこともあるけど、今は考えていないわ。健康である限り、働き続けたいと思っているの。私は、この仕事が大好きで、一緒に仕事をしているスタッフも大好き。この仕事は私の“人生”と言ってもいいくらい。ここで働き続けることは私にとって重要なことだから。」

そんなモニカさんを従業員として抱える会社側も、彼女の仕事ぶりや人となりを長年見て来ただけに「モニカさんは単なる従業員ではなく弊社にとってはかけがえのない存在です」とジョアンさんは言う。

「モニカさんとは、私の曽祖父の時代から良いことも悪いことも一緒に乗り越えてきました。モニカさんをスタッフに持つことは私たちにとっても非常に光栄なことです。本人はすぐに退職する予定はないようですし、好きなだけここで働いてもらいたい。彼女の存在は周りをインスパイアしてくれますよ」と勤続70年の献身的な精神溢れる従業員を称賛している。

出典:http://www.coventrytelegraph.net
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)