多くの場面で後手を踏み、攻撃の形を作れず。最後までゴールが遠かった。写真:川本 学

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[J1リーグ9節]C大阪2-0川崎/4月30日/ヤンマー
 
「前半から単純なミスが非常に多く、一人ひとりが戦うというところを見直さなければいけない試合でした。当然、ACLを戦って疲れてはいますが、頭の中をみんなで揃えて戦わなければいけなかった。そこが出来なかったのが非常に残念です」
 
 試合後の記者会見、鬼木達監督の表情は強張っていた。それもそのはずだ。ACLの水原三星戦から中4日で臨んだC大阪戦は、前半終了間際の小林のPK失敗も響き、何もできぬまま敗れた。
 
 4月25日のアウェーでの水原三星戦は死闘だった。勝利しなければグループステージ突破が難しくなるなか、後半にセットプレーで奈良竜樹が奪ったゴールを守り切り、大きな勝点3を手にした。まさに全員で掴み取った勝利だった。
 
 しかし、C大阪戦では同じチームとは思えない姿を露呈した。確かに疲労は蓄積していたはずだし、前日に中村憲剛が腰を痛め、欠場するアクシデントもあった。しかし、水原三星戦ではあれだけのパフォーマンスを見せられたのに、なぜ……。5日前の殊勲である奈良もその悔しさを吐露する。
 
「ACLであれだけの状況を乗り越えて、なんでこうなるのかなと。アウェーで厳しい試合をした後だけど、僕たちはプロだからそこに逃げちゃダメだった。疲れていてもできることはある。気持ちの部分とか、怖がらないとか。走行距離が落ちることはあっても、そういう次元の話ではないし、システム云々の話でもない。ACLで勝たなければいけない試合を勝ち切って、それを良い方向に働かせられないのはチームの実力だと思う。
 
 憲剛さんがいなきゃだダメとか、誰かが欠けたら成り立たないようでは厳しい。他の選手が憲剛さんのポジションを奪ってやるぐらいの気概を見せないと。僕は守備の選手なのでどうしても守備のことに目が行ってしまう。顔面でもいいからシュートを防ぎにいくとか気持ちを見せれば、それがチーム全体に伝わると思う。僕も含めて反省しなければいけない。まだまだ厳しさが足りないと思う」
 
 負傷中の大島僚太、累積警告で出場停止だったエドゥアルド・ネットに続き、中村と、パスサッカーを支える3人が欠場したのは確かに痛かった。しかし、「戦えていない」「当たり前のことがやれていない」というのが、試合後に選手たちの口から出た言葉だった。
 
 パスサッカーや魅せるサッカーと、理想を追求する前に、1対1の攻防では負けない、球際でボールを奪う、といったサッカーの根本が、この日の川崎の選手たちからは抜け落ちていた。
 
 それでも、副キャプテンの谷口彰悟は「今日の試合は自分たちがやれなかった。やんないと、こういう結果になるとみんなが思い知ったはず。でも、意識のところで変わる部分も必ずある。反省して、みんなでミーティングを開いて、改善していきたい」と、前を向く。
 
 5月5日(金・祝)には10節・新潟戦、9日(火)にはグループステージ突破が懸かったACLのイースタンSC戦が迫る。「次がどうかというところも正直、分からない状態」(鬼木監督)と、精神的支柱の中村の出場の可否は不明だ。
 
 果たして一致団結して乗り切れるか。今こそ真のチーム力が問われている。
 
取材・文:本田健介(サッカーダイジェスト編集部)