4月の外国為替市況では、地政学リスクの警戒感が高まる中で、市場ではリスク回避の姿勢が強まり安全資産とされる円に資金が流入した。このため13日の東京外国為替市場では、円相場が昨年11月以来約5カ月ぶりに、一時1ドル=108円台の円高に振れた。
 しかし、リスク回避の動きが一服し、さらに米トランプ政権が税制改革案を公表したことなどからドルを買って円を売る動きが出て、円相場は1ドル=111円台と約1カ月ぶりの円安水準に戻った。
 こうしたなか、企業倒産は依然として沈静化が続き、4月の「円安」関連倒産は4件(速報値4月28日現在、前年同月6件)だった。また、「円高」関連倒産は3カ月ぶりに発生なし(前年同月ゼロ)だった。しかし、依然として地政学リスクが払拭されず、先行きが不透明なため為替相場の動きから目が離せない状況が続いている。

円安関連倒産月次推移

円高関連倒産月次推移

4月の倒産事例 円安関連

 (1)食器類の輸入販売 [神奈川]
 (有)マークトレーディング(TSR企業コード:360409660、法人番号:1021002061052、厚木市船子1261−1、設立平成12年12月、資本金700万円、志賀守社長)は4月4日、横浜地裁小田原支部より破産開始決定を受けた。破産管財人には大森淳弁護士(大森法律事務所、小田原市栄町1−16−37、電話0465−21−1076)が選任された。
 負債総額は約2億7400万円。
 平成12年12月に設立された食器類の輸入販売業者。北欧食器、洋食器、日本食器など代表が目利きした食器類を扱い業歴16年余りを数え、店頭販売以外にもネット通販も展開していた。しかし、個人消費の低迷や主力製品の売上減に加えて、円安の影響による仕入コスト上昇もあって業績は低迷し、平成28年5月期の売上高は4億5,491万円、利益は収支一杯まで落ち込んだ。その後も業績の回復に努めるも改善せず資金繰りも限界に達成し、平成29年3月末には従業員を解雇し事業を停止し、今回の措置となった。

 (2)衣料品・雑貨販売 [広島]
 (株)サンベビー大島屋(TSR企業コード:740020617、法人番号:3010501027488、広島市西区商工センター4−4−10、設立昭和43年12月、資本金1500万円、天方淳社長、従業員6名)は3月23日濱野滝衣弁護士(大本卓志法律事務所、広島市中区八丁堀6−4、電話082−222−3282)を代理人として広島地裁に破産を申請、27日破産開始決定を受けた。破産管財人は大橋弘美弁護士(大橋総合法律事務所、広島市中区東白島町19−3、電話082−511−2892)が選任された。
 負債総額は約2億4800万円。
 当社は大正15年8月に創業したベビー衣類、雑貨卸売業者、エプロン、よだれかけ、シューズなど新生児から3歳児までの幼児用衣料品全般を取り扱い、消費者ニーズに対応した商品提供を強みに大手子供服専門店、量販店等に受注基盤を形成してきた。過去には自社製造を行っていたが、取扱量の増加や価格競争もあって、国内生産では採算厳しく、近年は中国企業に製造を委託し販売に特化していた。平成24年頃から円安の影響を大きく受けて、収益は悪化、年商2億8000万円を計上していたが、大幅な赤字を計上し資金繰りは逼迫していた。その後も低価格志向が続き業況は改善されず、事業継続を断念し今回の措置をとった。