ドイツ西部コブレンツで、欧州のポピュリスト政党や極右政党の党首らが行った会合に抗議するデモ隊(2017年1月21日撮影)。(c)AFP=時事/AFPBB News

写真拡大

【AFP=時事】ドイツで極右思想を持つ陸軍中尉(28)がシリア難民に成り済まして襲撃を起こし、それを難民の犯行に仕立てようとしていた疑いが発覚し、波紋を広げている。ウルズラ・フォンデアライエン(Ursula von der Leyen)国防相は4月30日、軍内部の極右思想は一切容認しないと言明した。

「フランコ A(Franco A)」と伝えられるこの陸軍中尉は、銃を使った襲撃を計画したとして4月26日に逮捕された。イタリア人の父親とドイツ人の母親を持つが、検察によるとシリア難民に成り済まして「二重生活」を送っていた。

 ドイツ週刊誌シュピーゲル(Der Spiegel)が容疑者は2014年の学術論文で極右的な見解を表明していたが、懲戒処分は受けていなかったと報じたことで、スキャンダルがさらに広がっていた。同誌によると、ドイツの情報機関は現在、極右思想に共感している疑いがあるとして軍内部で約280人を調査しているという。

 フォンデアライエン国防相は地元テレビ局ZDFに「多くのことを許容しているが、政治的、右翼的、宗教的な過激主義は別だ」と述べた。

 容疑者は「難民」としては、ユダヤ人を祖先に持つカトリック教徒の「David Benjamin」と名乗っていた。シリアの首都ダマスカス(Damascus)で果物を売っていたが、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」から逃れてきたと説明していたという。

 検察によると、容疑者はドイツ国内の難民収容施設に登録し、政治亡命も申請していた。信じがたいことに、アラビア語を話せないにもかかわらず申請は受理されていた。2016年1月から難民向けの宿泊施設に滞在し、毎月400ユーロ(約4万9000円)支給されていた。

 地元日刊紙ビルト(Bild)によると、容疑者が作成した「死のリスト」も警察によって見つかっており、左派や反ファシストの活動家の名前も含まれていたという。
【翻訳編集】AFPBB News