Q:最近の健診で、高血圧、糖尿病、COPD(慢性閉塞性肺疾患)、脂質異常症などの生活習慣病にすべて罹っていることが分かりました。仕事のストレスから、毎日の飲酒、喫煙、夜食のラーメンなどの悪習慣が続いています。改めたいと思ってきましたが、止められないままです。このままだと60歳になるまでに倒れそうです。生活習慣を変える手掛かりを御指南ください。
(53歳・司法書士)

 A:私も今日は酒をやめようと思っていても、日が暮れる頃になると性懲りもなくまた飲んでいます。体に悪い習慣はなかなかやめにくいものです。タバコは24歳で止められました。失恋がきっかけ。精神的にショックを受け、それをバネに禁煙を決心したのです。
 理屈に合わないと思われるでしょうが、体に悪いからやめるという理屈で止められないのは、ご質問の方も実感されていると思います。
 体に悪いと考えても、今日1日はいいかと、自分を甘やかしてしまいます。意思に頼るのは往々にして無力です。

●ショックをバネに改める
 だらだら続けている悪習慣を断ち切るには、前述の私の失恋のケースのように、非日常の苦しい出来事があった際にこれを利用して、転換する方法が有効です。悔しさや悲しみ、あるいは腹立たしさの感情をバネに、「くそー! もうタバコ止めたる」と、理屈や脈絡なく決めるのです。
 この方法は、精神的ショックの度合いが強いほど成功率が上がると思っています。
 それとは反対に、楽しい出来事では、余計に悪習が楽しくなり、悪習慣に拍車をかけることになりがちです。
 このショック療法は、すべての悪習慣をいっぺんに止める必要はないし、止めようとは思わないほうが無難です。まずは、どれか一つを止めましょう。それが第一歩です。
 精神的ショックは誰でも受けたくないですが、他人との関係の中でみんなが経験することでしょう。ご質問の方も今後もそういう出来事は避けられないでしょう。
 これ以上、健康に関する状況が悪くならないよう、ショックな出来事を活用し、一つずつ悪習を絶っていくようにしましょう。

牧典彦氏(小山病院院長)
自律神経免疫療法(刺絡)や加圧トレーニング、温熱療法、オゾン療法など保険診療の枠にとらわれずベストな治療を実践。