女王の名に相応しいキャリアを歩むメアリー・J.ブライジの拘りが随所に感じられる『ストレングス・オブ・ア・ウーマン』(Album Review)

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 “クイーン・オブ・ヒッツホップ・ソウル”こと、R&B界の女王、メアリー・J.ブライジの新作『ストレングス・オブ・ア・ウーマン』が、2017年4月28日にリリースされた。本作は、前作『ザ・ロンドン・セッションズ』(2014年)から、およそ2年半振り、通算13枚目のスタジオ・アルバムとなる。

 ゴールドのバックに、赤いベルベットの王座、威風堂々座るメアリーと、インパクト絶大のジャケット・アートに相応しい、ゴージャスな仕上がりになっていて、タイトル曲のミュージック・ビデオでは、ピンヒールにサングラス、レザーのロングコートという全身黒のシックな装いで力強く歌うメアリーに圧倒させられる。

 オープニングを飾る「ラヴ・ユアセルフ」は、カニエ・ウェストがフィーチャリング・ゲストとして参加した、ヒップホップ・ソウル。70年代のニオイも感じさせるノスタルジックなナンバーで、この曲の他にも、ネオソウル調の「セット・ミー・フリー」や、ディスコ世代を彷彿させる「ファインド・ザ・ラヴ」など、古き良き音を上手くアレンジした名曲が続く。

 一方、昨今のヒット・チャートで上位を占めるトラップを取り入れた「イッツ・ミー」や「サヴァイヴァー」、ミーゴズのクエヴォとDJキャレド、メアリーとの親交も深いミッシー・エリオットをゲストに招いた「グロウ・アップ」など、今っぽいサウンドも欠かさない。アリシア・キーズやケンドリック・ラマー等のプロダクションにも参加した、カナダ出身のDJ/プロデューサーの、ケイトラナダが参加した「テリング・ザ・トゥルース」も素晴らしい出来栄え。

 もちろん、メアリーの真骨頂ともいえる、歌い込み系のナンバーも目白押し。お得意の演歌節を唸らせる、ミッド・テンポの「シック・オブ・イット」や「ユー+ミー(ラヴ・レッスン)」、聴き手を圧倒させる「サンキュー」、ピアノ1本で仕上げたバラード「スマイルfeat.プリンス・チャールズ」など、歌唱力が活かされたナンバーについては、言う事なし。90年代に回帰した「ハロー・ファーザー」で締めるところにも、本作への拘りを感じられる。

 メアリー・J.ブライジは、これまでに12枚のスタジオ・アルバムをリリースしていて、1997年リリースの3rdアルバム『シェア・マイ・ワールド』など、計4作が全米アルバム・チャートNo.1に輝いている。また、その他の8作も全てTOP10入りしていて、女王の名に相応しいキャリアを築いている。本作『ストレングス・オブ・ア・ウーマン』が、13作目のTOP10入りすることはもちろん、5作目のNo.1獲得にも期待したい。


Text: 本家 一成

◎リリース情報
『ストレングス・オブ・ア・ウーマン』
メアリー・J.ブライジ
2017/4/28 RELEASE
2,700円(tax incl.)