20歳にして柏の最終ラインを担う。同年代では抜きん出た存在だ。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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 [J1リーグ9節]新潟0-1柏/4月30日(日)/デンカS

 5月20日から韓国で開催されるU-20ワールドカップ。その日本代表メンバーに選出されるであろう大本命が、柏の中山雄太だ。
 
 昨年台頭した20歳の中山は、CBのほか、ボランチやSBなど様々なポジションをハイレベルにこなし、J1でも存在感を示している。
 
 9節の新潟戦でも、好プレーで随所に能力の高さを見せた。押し込まれる時間はあったものの、常に焦ることなく見事に完封勝利に貢献。印象的だったのが1対1の力強さだ。前半は、新潟の助っ人FWのホニとのマッチアップで身体を張って対応し、ロングボールに対しても力強く撥ね返した。
 
 中山は試合後、「対人の部分で身体をぶつけたシーンは、自分が意識してきたことで防げたシーンもあった」と手応えを語った。
 
 ただ、パワーで勝っていた一方で、押し込まれる時間が長くなり、守勢に回った後半はホニの圧倒的な快速を止めるのに苦労した。
 
「スピードがありましたし、失点してもおかしくないシーンも多々あった。あまり良い試合だったという印象はない」と振り返る中山は、「単純なヨーイドンの速さだったり、それに順応するのも遅かった。もっと改善しなきゃいけない」と課題を口にする。
 
 さらに、反省は尽きない。
 
 新潟戦でとりわけ目についたのが冷静なビルドアップで、相手のプレスを難なくかわして、落ち着いてパスを捌く姿は、とても20歳とは思えないほどだった。それでも本人は「捌くだけじゃなくて、相手のやりたいことを折るような攻撃をしたかったですし、まだまだ満足いかないものがある。そこは努力していきたい」と話す。
 
 この計り知れない向上心が、チームでレギュラーを張るまでに成長した理由だろう。この年代において、所属チームで主力を担う数少ない選手とあって、U-20ワールドカップメンバーに選ばれるのは確実と言ってもいい。
 
 ただ、中山自身は「まだメンバーに選ばれるかも分からないですし、(本大会への)イメージはしていきたいですけど、そこを考えるよりも、今は選ばれるかドキドキしているので。また選ばれてから考えたいなと思う」と遠慮がちに微笑んだ。
 
 たしかにメンバー発表前に本大会の質問をするのは時期尚早だったかもしれない。とはいえ、U-20代表に欠かせない戦力であることは間違いなく、国際大会を経て、今後さらに成長する姿を見てみたいと思わせる人材だ。

【PHOTO】柏×横浜の美女サポーターたち♡
 
取材・文:多田哲平(サッカーダイジェストWEB編集部)