前半は司令塔として機能した柏木。しかし、怪我でハーフタイムに退いた。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

写真拡大 (全2枚)

[J1リーグ・9節]大宮 1-0 浦和/4月30日(日)/NACK
 
 J1では8節までに24ゴール、ACLでは5節までに18ゴールと両コンペティションで最多得点――。そんな国内随一の攻撃力を誇る浦和が、最下位に低迷する大宮との“さいたまダービー”で、昨年6月15日のG大阪戦以来、公式戦で43試合ぶり(国内リーグでは29試合ぶり)のノーゴールに終わった。その大きな理由のひとつが、絶対的ゲームメーカーである柏木陽介がハーフタイムに退いたことだった。
 
 前半からボールを支配した浦和にあって背番号10は、長短のパスを使って組み立てから崩しの中心に。しかし、「(4日前の)ウェスタン・シドニー戦で(太腿に)打撲を負って、やりながら無理かなって。申し訳ない」と無念の交代を強いられた。
 
 浦和は後半に入って試合の流れすらも失い、63分には茨田陽生に一撃を叩き込まると、ゴールを奪えず敗れ去った。柏木が「俺が90分できていたらまたちょっと違った展開だったかなと思うけど」と振り返った通り、レフティの司令塔を失ったチームは、いつもの多彩かつスピーディーな攻撃を仕掛けられなかった。
 
「(大宮は)しっかりブロックを作ってきて、ウチはなかなかチャンスを作り切れなかった。前半は少しあったけど、点を奪い切れなかった。徹底して守って、カウンター1本でというのを相手は狙っていて、実際にその形でやられてしまったのは悔いが残る」
 
 4月はACLを含めてこの日で7試合目。試合後にペトロヴィッチ監督は「疲労の影響なのか、気温が高いせいなのか、なかなか運動量とオフ・ザ・ボールの動きの連動性、キレの部分を出せないまま試合が進んでしまった」と過密日程と暑さ(公式記録は26.8度だが日照りのピッチは30度を超えていたはず)を敗因のひとつに挙げたが、柏木の見解は少し違かった。
 
「(疲労や暑さの影響は)そんなことなかったんじゃないかなと思う。逆に、今まではバチバチやる試合をやってきて、久々に引いてくる相手と戦った感じはあった。あんまり(前からの)プレッシャーがない中で、フワッとした雰囲気にさせられたところはあったかなという気がする。だからダービーらしいというよりは、久しぶりにこういう(引いた)相手と試合をする難しさというか……。最近は(攻めに)きてくれた相手をかわす試合が多かった中で、今日は上手くいかなかった」
 結果的に自身の交代が響いて敗れた格好になっただけに、もちろん悔しい気持ちはある。しかし一方で、サポーターにはこの1試合だけで判断してほしくないという想いを抱えていた。ファンは試合後、挨拶にいったチームに大ブーイングを浴びせ、帰りのバスにも一部が罵声を飛ばしていた。
 
「もちろん、ダービーで負けたっていうのはかなり悔しいし、サポーターのみなさんが怒っているのも理解できる。ただ、ここ数試合のウチらの強さも分かってほしいというか……。ハードな日程の中で6連勝(相手は神戸、仙台、上海上港、FC東京、札幌、ウェスタン・シドニー)していたっていうのは踏まえてほしいというか、考えてほしい……」
 
 5月4日の次節は、ホームに鹿島を迎える。言うまでもなく、昨季のチャンピオンシップ、そして今季のフジゼロックス・スーパーカップで敗れた因縁の相手だ。
 
「鹿島戦に向けて準備するつもりやし、鹿島に勝ったらまた違った方向でチームとして上向きに行けると思う。俺も(怪我を)良い状態に治したい」
 
取材・文:白鳥大知(サッカーダイジェストWEB)
 
【さいたまダービー PHOTO】美女も盛り上げた注目ダービーは、茨田の一撃で大宮が初勝利!