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いま、日本では脱ゆとり教育が叫ばれてから様々な試行錯誤が繰り返されています。いち国民としては、今後の教育体制の変化には期待したいところですよね。

 

しかし、世界的に見ると日本の学校教育そのものはどのように映っているのでしょうか。

 

世界には、日本人が知ると驚くような教育体制の国はいくつもあります。各国の学校教育を比べてみると、その国の教育方針だけでなく国民性まで見えてくるもの。

 

そこで今回は、遠いヨーロッパの国、ポーランドの教育システムをご紹介。ぜひ、日本と比べてどちらが子どもたちの教育に効果的なのか考えながら読み進めてみてください。

 

【その1】小学校1年生の前に0学年という予備クラスがある

日本では多くの子どもが保育園や幼稚園に通っていますよね。平成25年度の政府調査によると、5歳児の未就園率は1.5%です。

 

対してポーランドでは、なんと約40%もの児童が保育園や幼稚園に通っていません。ポーランドの場合、親や祖父母が子どもの面倒を見ることができるのであればそれが最もよいとされ、わざわざ多額の費用をかけてまで施設に預けようとはしないのです。

 

しかし、幼稚園などに通わなかった子どもたちがいきなり小学校に入学してしまうと、学力に著しく差が出たり集団行動に戸惑ったりする可能性があります。

 

そこでポーランドでは0学年というシステムを幼稚園と小学校に設置し、どちらかで0学年を修了することを義務としているのです。

 

0学年は義務教育なので授業料を支払う必要はなく、日本の幼稚園のように小学校で学んでいくために欠かせない基本的な学習能力を身に付けることができます。

 

【その2】学校は勉強をする場所なので昼食や掃除の時間がない

ポーランドでは1日の食事が4回あり、昼食のことをドゥルギ・シニャダニェ(2回目の朝食)といいます。

 

この2回目の朝食ではサンドイッチやケーキなどでお腹を満たすのが普通であり、やはり日本のバランスがとれた昼食と比べると簡素なものです。そのため、わざわざ昼食時間を設ける必要はなく、授業後の15分の休憩時間でサッと食べるだけ。

 

また、日本の小学校や中学校では掃除の時間がありますが、ポーランドの子どもたちが学校で掃除をすることはまずありません。掃除は清掃員の仕事であり、もし子どもたちが掃除をする機会があるとすれば4月22日のアースデイくらいでしょう。

 

子どもたちにとってはこちらの方がありがたいですが、学校では掃除をするのが当たり前の日本人からするとゆとりを感じてしまいます。

 

【その3】成績が悪いと小学校から留年してしまうこともある

日本の場合は地域によっても異なりますが、通知表の評価は小学校では3段階が多く中学校や高校になると5段階になります。

 

しかし、ポーランドでは小学校から高校まで一貫して数字を用いた6段階評価。評価1は最も悪く、複数の科目に評価1がついてしまうとそのままでは進級することができません。

 

その場合は特別なテストを受ける必要がありますが、そのテストでも得点が低いと小学生でも留年となってしまいます。また評価6は単に成績が良いだけではなく、例えば学年1位を1年間キープ、学力を競うコンテストで優勝したなどといった実績がなければつけてもらえません。

 

日本の義務教育では、何らかの事情で授業に参加していなかったとしても進級することができるのでこれは大きな違いと言えますね。幼い頃から留年の危機感を持っているポーランドの子どもたちは学習意欲がかなり高いかもしれません。

 

【その4】高校卒業前には人生をも左右する大事な試験がある

ポーランドの高校生たちのほとんどは、卒業する前にマトゥラという卒業試験を受けます。このマトゥラの成績が悪いと進学できる大学が限られてしまい、進学しない場合でも就職先に大きく影響が出てきてしまいます。

 

そもそもマトゥラを受けていないといった場合、私立の大学すら入学できず学力不問の仕事を探さなければなりません。マトゥラは文部省が実施する試験で、必須科目はポーランド語、外国語、そして数学の3つ。他にもうひとつの科目を受験する必要があり、選択科目では最高6つの科目を同時に受験することができます。

 

ここでどの科目を選ぶかは大学の志望学科や職種によりますが、さらにそれらの選択科目では初級と上級のどちらかを選ばなければなりません。1年の試験対策クラスを開講する学校もあり、マトゥラの専門塾に通うといった高校生もかなり多いです。

 

進学してもしなくても大きなプレッシャーがかかるといった点ではちょっと厳しすぎるかもしれません。しかし、卒業するまで学習のモチベーションを保つにはかなり効果的な方法といえるでしょう。

 

日本とポーランドの学校教育を比べると、やはり文化のちがいを大きく感じます。ただ、ポーランドでは義務教育だけでなく大学も原則無償であるため、経済的な問題で進学を諦める必要はないといった点では日本も見習ってほしいところ。

 

これからも日本では試行錯誤は続くと思いますが、視野を広げて他国のよいところを取り入れようとする努力が必要かもしれません。