金氏(左)とマクマスター氏=(聯合ニュース)

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【ワシントン聯合ニュース】在韓米軍への配備が進む米国の最新鋭地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD、サード)」の費用負担問題が両国に波紋を広げている。トランプ米大統領が27日(米東部時間)、韓国が配備費用を負担すべきだと発言したことを受け、韓国青瓦台(大統領府)の金寛鎮(キム・グァンジン)国家安保室長(閣僚級)と米国のマクマスター大統領補佐官(国家安全保障問題担当)が29日夜に電話会談をしたが、その後の両者の発言に解釈の食い違いがみられる。

 金氏は電話会談後、韓国が土地やインフラなどを提供し、米国はTHAAD配備と運営の費用を負担する「従来の合意」を再確認したと明らかにした。また、マクマスター氏がトランプ氏の発言を「同盟国の費用分担に対する米世論を念頭に置いた、一般的な流れによるものだ」と説明したと伝えた。
 突発的な発言が多いトランプ氏ならではの単純なハプニングとして片付けられるように見えた。
 しかし、マクマスター氏は30日に米FOXテレビとのインタビューで、両国の従来の合意は再交渉するまで有効という意味だったと述べた。トランプ氏と同様に合意の破棄もあり得るとするもので、金氏の説明とは食い違うことになる。
 またマクマスター氏は、従来の合意を守ることを相手(金氏)に約束したのかと問われると、「何らかの再交渉があるまでは既存の協定は有効で、私たちは自分たちの言葉を守る」と答えた。
 こうした両国の安保責任者の発言を巡り、さまざまな見方が出ている。
 韓国政府側では、安保は敏感な問題ですべての対話内容を公開することができず、一部だけ明かしたために誤解が生じただけで、両国に溝はないとする。指揮官への忠誠心が強い現役軍人であるマクマスター氏の場合は特に、大統領の発言から間もない状況でその発言を否定するのは難しいというのが韓国外交当局の説明だ。また、マクマスター氏の言う「再交渉」は、その可能性に言及するような変化があったのは確かながらも、必ず再交渉するという意味とはとらえ難いという。再交渉をする場合は従来の合意の条件に変化があり得るという、余地を残す発言との見方だ。
 金氏としては韓国の世論の過熱を踏まえ、「合意の再確認」という具体的かつ確かなメッセージを投げかける必要があり、一方のマクマスター氏も自国の大統領と世論を配慮し再交渉の余地を残さざるを得なかったという分析が少なくない。
 トランプ氏は大統領就任後、脅しのような発言で危機感をあおり、交渉で実利を得るという実業家ならではの気質を見せてきた。このため、年末に両国が着手する在韓米軍の駐留経費分担交渉を控え、韓国の負担増を狙いTHAAD費用問題を取り上げた公算が大きい。
 米外交問題評議会のスコット・シュナイダー氏は聯合ニュースの取材に、トランプ氏のTHAADと韓米自由貿易協定(FTA)の見直し発言は時期的に不適切だったとの見方を示した。その上で、「THAAD配備の目的は北朝鮮から韓国を防御する米軍兵力を保護ずるためのものだ。韓国がTHAAD費用を負担するならば、在韓米軍の基地でなく、ソウルと韓国軍基地に焦点を合わせるべきだった」と述べた。
 米シンクタンク、アトランティック・カウンシルのロバート・マニング氏は「もしトランプ氏の発言が米国の交渉力を強化するための努力だとすれば、ある程度説明が可能だ」と述べた。
mgk1202@yna.co.kr