2017年4月27日で生誕25周年を迎えたのが人気ゲームシリーズの「星のカービィ」。そんな人気シリーズで1番最初に登場した「星のカービィ」は、なんと「ツインファミコン」を用いて開発されたそうで、PCのキーボードなどなしで作られたという衝撃の事実が明らかになっています。

Early Nintendo programmer worked without a keyboard | Ars Technica

https://arstechnica.com/gaming/2017/04/the-first-kirby-game-was-programmed-without-a-keyboard/

1992年の4月27日にゲームボーイ用ソフトとして登場した「星のカービィ」から、2017年でちょうど25年が経ちました。カービィ生誕25周年を記念し、4月16日には「星のカービィ25周年記念オーケストラコンサート」が開催されたのですが、この中で初代「星のカービィ」の生みの親であるゲームクリエイターの桜井政博さんが登場して開発秘話を語りました。桜井さんによる開発者トークはGAME Watchが記事化しており、以下から読むことができます。

「星のカービィ25周年記念オーケストラコンサート」東京公演が開催 - GAME Watch



この中で、なんと初代「星のカービィ」は当時のハル研究所にあった「ツインファミコン」で生み出されたことが明かされています。ハル研究所の「ツインファミコン」は、独自のトラックボールを搭載しており、これを用いてデータをフロッピーディスクに読み書きするというものだったそうです。当時のゲーム開発について桜井さんは「お弁当箱でお弁当を作るようなもの」と語っており、ゲーム機を使ってゲームをプレイするかのようにゲームを作っていたことを明かしています。



他にも開発秘話が語られており、当時の開発風景がイメージできます。

さらなる秘話として語られたのは、「星のカービィ」では敵キャラクターがステージの端から落ちたり、階段を降りるような動きをするが、ここでは「地形判定」が行なわれていないこと。つまり敵キャラクターの動きは、桜井氏が1体1体に対して、最初から最後までの動きのデータを16進数の数値で入力していたことになる。

 “開発ツール”はキーボードも付いていないため、数値の入力はトラックボールを使ってスクリーンキーボードを扱うようにポチポチと1つずつ行なっており、今から考えれば「絶対にやらない」ことだが、「星のカービィ」開発当時は20歳前後の新人であり、「そんなものかな」とコツコツ作っていたとした。しかしこの手法の場合はデータの処理が軽くなるため、そのためゲームボーイソフトとしてはかなりなめらかな動きが実現でき、メリットも大きかったそうだ。




そんな任天堂のゲーム開発初期に関する貴重な秘話が盛りだくさんだったトークイベントですが、「初期の任天堂ではキーボードを使用せずにゲームの開発が行われていた」として、海外メディアの間で話題となっています。

Kirby’s Development Secrets - Source Gaming

http://sourcegaming.info/2017/04/19/kirbys-development-secrets/



Early Nintendo programmer worked without a keyboard | Ars Technica

https://arstechnica.com/gaming/2017/04/the-first-kirby-game-was-programmed-without-a-keyboard/



海外メディアのArs Technicaは、「ある程度の年齢のプログラマーは、極端なハードウェアやソフトウェアによる制約の下での開発してきた経験から、アプリケーションやハードウェアをハッキングし、現在では考えられないような開発を行っていたりします。それでも、初代星のカービィを開発した桜井雅弘さんの『キーボードのないコーディング環境』に勝るトンデモナイ話は存在しないと思います」と、キーボードを使用せずにトラックボールとスクリーンキーボードを駆使して入力を行っていたという開発秘話が驚愕すべきものだとしています。

また、桜井さんの「数値の入力はトラックボールを使ってスクリーンキーボードを扱うようにポチポチと1つずつ行なっていた」という話に対し、Ars Technicaは「現在ならこういった類いのビジュアルプログラミング言語は目新しくありませんが、90年代初頭は値を入力したり指示を編集するには物理キーボードの方が重宝されたでしょう」と記しており、ある意味時代を先取りしていたツインファミコンを用いた開発方法に驚いています。

なお、Ars Technicaのコメント欄には、「LEDが並んだだけのディスプレイと16個のキーしかないキーパッド、そしてIntel 8086が埋め込まれたボードを使ってコードしていたことを思い出すよ……」など、かつて同じように困難な開発環境でコーディングを行ってきたエンジニアの書き込みもありました。