「おいしい!」と口に出すと、 相手との共感が生まれる

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テレビ出演多数の人気臨床心理士が、幸せを引き寄せる口ぐせの数々を、脳への効果や医学的理論を基に解説。今回は、「おいしい!」という言葉の意外な効用についてです。

「ご飯をおいしいと感じられますか?」

「おいしい」という言葉、最近いつ言ったか覚えていますか?

 この質問をすると、「あれ? そういえば言っていない……」と答える方がとても多いんです。忙しいビジネスパーソンは特に、スケジュールの合間に義務的に食べているから、「おいしいと感じる余裕もない」ようです。でも、そういう方こそ、口に出して「おいしい」と言ってほしい。

 うつ病のチェックリストに「ご飯をおいしいと感じられますか?」というものがあります。うつ病の方は、ご飯が砂のように感じられたり、味がしなかったりするケースが多いのです。

 目で見て「おいしそう」と感じ、香りや食感を楽しみながら味わうことは、五感を鍛え、気持ちを前向きにする効果があります。さらには心を動かし、ハートを潤す効果もあります。

「そんな時間的余裕はない」という人も、「おいしい」と感じるぐらいの時間はあるはずです。そして声に出して言うことが、食事への意識を高めることにつながります。

 誰かと一緒に食事をしている時は、なおさら口に出してほしいですね。「しゃきしゃきとした食感がおいしい」「出汁が効いた味付けがおいしい」など、具体的に言えば相手との共感性が生まれます。「この人、おいしそうに食べるな」と感じる人とは、一緒に食べていて楽しい気分になりますし、おいしさも倍増するはず。食事の場がさらにハッピーになります。

 心理学用語に「ランチョンテクニック」というものがあります。食事をしながら相手と交渉するテクニックで、「おいしい」という幸福感や楽しい時間が、話の内容をよりポジティブな方向に導いてくれるというものです。食事の時間を楽しみたいという思いから、無意識のうちに対立を避けようとするため、要望や交渉事が受け入れられる確率が上がります。

 また、おいしい食べ物や飲み物を口にすると、心地良い感情「快楽」が生まれます。そして食事している間に聞いた話はプラスのイメージと結びつきます。「おいしい」と口にして笑い合うことで、対立を避け、話し合いがよりプラスの方向へ進むことも期待できるでしょう。

「おいしい」と言うことは、ダイエットにももってこい。「おいしい」と声に出すと満足感が上がるため、無駄食いがなくなり、必要な分だけ食べることができますよ。

(『幸せを引き寄せる「口ぐせ」の魔法』の本文の一部を掲載しました)