完封勝利の立役者となったMF金澤慎

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[4.30 J1第9節 大宮1-0浦和 NACK]

 ダービーの重みを知る男がキーマンとなった。大宮アルディージャのベテランMF金澤慎が、浦和の左シャドーMF興梠慎三をマンマーク。攻撃時は4-4-2、守備時はボランチの金澤が最終ラインに吸収され、5-3-2に。激しい寄せで自由を奪い、8試合7得点のストライカーに仕事をさせなかった。

 “浦和対策”が奏功した。今季8戦未勝利で最下位に沈む中、首位浦和をホームに迎えたさいたまダービー。渋谷洋樹監督は「興梠選手のところが危ない」と策を打った。「本当だったら4-4-2で守りきれれば。今日はレッズの攻撃力を考えた上での対応だった」と意図を明かした。準備は29日の前日練習のみだったが、限られた時間の中でイメージを共有。金澤は「渋谷さんがこういう形でやろうと示してくれた。迷いなく、自信を持ってやるだけだった」と奮迅の働きぶりで観衆を唸らせた。

 プロ16年目。33歳のベテランMFは、02年に大宮ユースからプロに昇格した第1号選手だ。「ずっと大宮を背負っている彼に託した」と渋谷監督に任命され、この日はキャプテンマークを巻いてピッチに立った。「しっかりチームを引っ張っていけるように、声を出してみんなを盛り上げていくことを意識した」。静かに闘志を燃やし、試合前の円陣では「絶対に勝って帰ろう」と仲間を鼓舞した。

 全員が最後まで集中力を切らさず、粘り強く守備を固め、今季初の完封勝利。「勝つのは大変だなと思いました」。そう話した表情に笑顔はなく、勝ち点3の重みを痛感しているようだった。ようやくつかんだ1勝だが、まだ1勝。「この勝利を次につなげて、今の状況をいち早く抜けられるようにみんなでやっていきたい」。長かったトンネルを抜け、ここから巻き返しを図る。

(取材・文 佐藤亜希子)
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