広島戦で無得点に終わった大久保。写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

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[J1・9節]FC東京1-0広島/4月30日/味スタ
 
 FWの大久保は確かによく走っていた。前線から献身的に守備をして、完封勝利に貢献したという見方はできる。ただ、このストライカーに求められているのはディフェンスなのだろうか。シュート2本で無得点……。この数字だけを見れば物足りない印象のほうが強い。事実、広島戦後の大久保にほとんど笑顔はなかった。
 
「守備をしないとこのチームではダメだと思うので、まあ、そこは……」
 
 どこかスッキリとしない表情の大久保は攻撃についても課題を挙げた。
 
「前よりは良くなったと思いますが、まだまだ。正直、FWがシュートを打つ場面はあまりないので。(前線への)縦パスは多少入ってきたけど、全然足りない。行ける時は行く、というのは増やさないと。常に自分たちがディフェンスをする側になるのはね……。守備に回らなくていい時も回っちゃうのは勿体ない。そういうところを改善できればいいけど」
 
 広島戦のFC東京はセットプレーを主武器にチャンスを作っていたが、大久保にしてみれば「そういうことじゃない」となる。
 
「自分は180センチとかあるわけじゃないし、ヘディングで飛び込むタイプでもない。こだわりたいのは、一歩で外すところなので。(クロスやセットプレーを)チャンスとは捉えていない」
 
 なかなか思い通りの攻撃を展開できないからこそ、大久保は守備に奔走する。それは本人の言葉を借りれば「開き直り」となる。
 
「勝点を重ねられれば良い。だから俺も開き直ってやっている。それで勝てればいいし、やり続けるだけ。今、なんにも形がないわけでもないし。やろうとしているサッカーは多少分かる」
 
 「でも」と、大久保は続ける。
 
「後ろのために前がやっている感じ。シュートも後ろの選手が打つという感じなので。俺たち(2トップの大久保と前田)がディフェンスに回って、おとりになって、サイドでキープして、誰かが中に入る。それが少し勿体ない。得点王がふたりも並んでいるんだから……。その2トップを上手く使ってくれれば、相手は怖いはずでしょ?
 
 広島戦は1‐0だったけど、もっと点は取れる。そういうところを言いたいの、俺は。今までのFC東京はセットプレーで勝つ。それはそれでいいよ。でも、1‐0じゃなくて、2‐0、3‐0で勝てたから。もっと楽に試合を運べるから。そういうことを言いたいんです」
 
 ある種のジレンマを抱える大久保。攻撃と守備のバランスを改善してゴール量産となるのは、現状の戦い方からして難題のように見えるが……。

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