フィリピン・マニラで、東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議の閉幕時の記者会見に臨む、ロドリゴ・ドゥテルテ大統領(2017年4月29日撮影)。(c)AFP=時事/AFPBB News

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【AFP=時事】29日に開催された東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議の議長国フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ(Rodrigo Duterte)大統領は結局、領有権争いが続く南シナ海(South China Sea)での中国の拡張政策を非難せず、中国政府に政治的勝利を手渡した形となった。

 戦略的重要水路である南シナ海に対する中国の全面的な主権主張に対し、国際裁判所はこれを認めない判断を下しているが、ASEAN首脳会議の翌日30日にドゥテルテ大統領が発表した議長声明はこれに一切触れなかった。

 25ページにわたる議長声明は「その地域での最近の開発について一部の首脳から表明された懸念に、われわれは留意した」と述べている。しかし、どのような開発があり、どの国に責任があり、どの首脳が懸念を示したのかについては言及していない。

 AFPが確認した議長声明の草稿では、「法的かつ外交的プロセスを尊重する」と書かれていた。また複数の外交官によると、別のバージョンの草稿では、南シナ海の「埋め立てと軍事化」を停止するよう求めるとの内容があった。ところが、最終的な声明ではいずれの文言も含まれていない。

 ドゥテルテ大統領の声明は、南シナ海とその上空における「平和、安定、安全、航行と飛行の自由を維持する重要性を再確認した」としている。また、「進行中の活動について自制し、状況をさらに複雑化するような行動の回避」と「武力行使あるいは武力による脅しに訴えることなく、(領有権)争いの平和的解決策の追求」の重要性を繰り返した。
【翻訳編集】AFPBB News