罰金を命じられてしまったインドレストランの経営者夫妻(出典:http://metro.co.uk)

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カレーのニオイは食欲をそそるものだが、スパイスの強い香りは時に近所迷惑ともなるようだ。このほどインド料理店を経営する夫婦が、近隣住民の苦情により協議会から罰金を科せられることになってしまった。英紙『Metro』や『Mirror』が伝えている。

英ミドルズブラのリンソープで2015年からインド料理のレストランを経営しているモハメド・クーシさん(46歳)と妻のシャバーナさん(42歳)は、店内の厨房から窓を通して流れる強烈なスパイスのニオイにより、近隣住民から「ニオイが服に沁みついて常時洗濯しなければならない」という苦情を受けてきた。

クーシさん夫妻は、2015年にレストランを開店するにあたって元々パブだった建物を買い取った。事業計画を管理会社に伝えた時点では、設備などに対してさほどの変化を強いられることがなかったために、本来必要とされる換気設備を設置しなければならないことに気付かなかったという。

パブが閉店した後、この建物はホームレスやドラッグ依存者のたまり場となっており、修繕が放棄された状態だったそうだ。夫妻自らが建物を綺麗にしたことで、管理会社側も彼らが事業に必要な設備を取り付けたと信じていた。

しかし換気システムを設置していない厨房の窓からはインド料理のスパイスの香りが路上へと流れ、地元の人々らはあまりの強烈なニオイに迷惑を被ったようだ。現在、店内厨房には換気システムの工事が行われているものの、工事完了までに3,500ポンド(約50万円)〜4,500ポンド(約65万円)の費用がかかるそうだ。

4月27日に行われたティーズサイド治安判事裁判所での裁判で、夫妻の弁護人であるニール・ダグラス氏は「レストランがある地域は住宅エリアなので、店に設置中の換気システムは市内のレストランのものよりもはるかに強力なものです」と述べた。

今回の件では、怒りを露わにする近隣住民がいる一方で夫妻を擁護する人も少なくないようだ。店の経営者らや評議員は「ニオイに悩まされたことはない」と言い、ある慈善団体スタッフも「彼らはいつも地元のフードバンクに食べ物を提供してくれますよ」とクーシさん夫妻の普段の行いを称賛している。

シャバーナさんは、「私たちは、近所の住民に対しても良き隣人であるように努めてきました。でも少数の住民にターゲットにされた気がしてなりません。他の人たちは店に入るまで全く匂わないと言っています。幸い、私たちは他の店の経営者や地元の人々のサポートもあり素晴らしいお客様に恵まれています。この件はもう終わったことですが、協議会には失望させられました。建物を引き継いで店を経営するにあたり、私たちは何度も相談しアドバイスを求めていました。その時点で指摘されていれば、レストランのオープン前に問題は解決できたはずです」と不満を隠せない。

また、夫のモハメドさんも「この一件は私たちを苦しめており、罰金を支払わなければならない判決まで受けてしまいました」と心境を吐露した。

今回の裁判では、クーシさん夫妻が昨年3月から9月に出された業務改善命令にすぐに従わず、住民の苦情をなくす努力を怠り、適切な換気システムを設置しなかったことから、クリスティーナ・ハリソン地方判事は夫婦1人当たり258ポンド(約37,000円)の罰金と、裁判所命令費用を各500ポンド(約72,000円)、さらに課徴金30ポンド(約4,300円)の支払いを命じた。

出典:http://metro.co.uk
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)