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リチャード・ブレムナー(Editorial Contributor)の場合

・1965年製シボレー・コルベア・モンザ・コルサ140クーペ
・2001年製ローバー75 2.5 V6コノイッシャ―SE
・1980年製トライアンフTR7FHC

ここに集結する3台は、どれも異なるキャラクターのクルマ。そのどれもがエンスーたちに愛されるカルト的なクルマである。

わたしはなぜシボレー・コルベアなんかに興味を持ったのか今でも理解できない。1959年に消費者運動家のラルフ・ナダ―に「どんな速度でも安全でないクルマ」というレッテルを貼られた悲運のクルマ。

事実コルベアは1960年代に事故に遭ったクルマのリストの上位にランクインしていた(ちなみにVWビートルもこのランキングの常連)。

ただ、シボレーはそんな「悪口」は意に介さずといった感じ。結局この問題は法廷に持ち込まれることとなった。

GMは訴訟で負けることはなかったが、結局のところコルベアの名誉回復とはならなかった。そういったスキャンダルもあって、GMは自動車の安全性を高める強迫観念にもとらわれていた。

また、GMのボスであったエド・コールはリア・エンジンのクルマに熱烈に惹かれていたこともあって、新たなクルマの開発に情熱を注ぐことになった。

結果革命的なデザインの変更、コルベットのようなリアサスを採用したりして、2代目のコルベアが誕生することとなる。

この前の週末、わたしは約850kmほど、2.7ℓ140psを発生させる水平対向6気筒エンジンの2世代目コルベアを駆り、空冷の1973年製ポルシェ911RSとランデブーする機会に恵まれた。

リア・エンジン、2.7ℓのフラット6ということで境遇は似ているが、値段は雲泥の差。スタイリッシュさに欠けた60年代アメリカンだが、ただし存在感はある。

同じことが、このトライアンフTR7にも言えるだろう。

トライアンフTR7を愛する理由

わたしは1980年のモデル、ターレット・トップ・ルーフを愛してやまない。エクセレントなダッシュボードを持ち、乗り心地は柔らかで快適。そしてハンドリングは確かなものとなっている。

このクルマを手に入れた理由、それは当時わたしがトライアンフで働いていたことがあるという「ノスタルジー」からである。

そしてもう一つの理由として、1万7600kmという走行距離の少なさにも関わらず、約£3,300(46万円)という控えめな値段だったというのが決め手である。

ただ、フレッシュさも感じるが、新車時のフィーリングは経年劣化により失っているのも否めない。そのため交換すべき部品は交換してパキッとした状態にしていこうと思っている。

実はもっとも大切なローバー75

そしてこのクルマなくしてわたしの日常は存在しないと言っていいほど乗っているローバー75。

オドメーターが刻んだ距離は10万kmをすでに超えている。このクルマの前のオーナーは大柄だったようだ。というのも、メモリ機能付きのシートのプリセットボタンを押すと、かなり後ろの方にまでいってしまう。

インテリアには、ハーマン・カードン社製のステレオと、モーター式のサンルーフ、センターコンソールには中国製のエンターテイメント・システムが内臓されている。

このエンターテインメント・システムだが、衛星システムでのナビ、ブルートゥース、ラジオ、もちろんウェブにだって接続可能。そしてちょっとしたカメラも備わっている。このクルマに関しては、惜しむことなく現代的な装備となるようにモディファイを加えている。

ローバー75の乗り心地はジャガーのF-PACEよりも良いと個人的には思う。未然予防のためにタイミング・ベルトは交換したが、特段トラブルもない。間違いなく「いいクルマ」だ。16年所有してみて、そう思った。