東華理工大学の陳子航さんは、日本を訪れた時に初めて中国人の爆買いを目の当たりにして感じたことについて、作文につづっている。写真は大阪。

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2015年流行語大賞に選ばれた「爆買い」は中国でもそのまま「爆買」と訳され、メディアなどでもすでに定着している。東華理工大学の陳子航さんは、日本を訪れた時に初めて中国人の爆買いを目の当たりにして感じたことについて、作文に次のようにつづっている。

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私は、去年の夏休みに大阪へ行った時、初めて爆買いをしている同胞の様子を自分の目で見て驚いた。心斎橋を歩いても周りはほとんど中国人で、聞こえてくるのは中国語ばかりであった。みんな旅行しているというより、ただ買い物しに来たような感じがした。今本当に日本にいるのかと疑い、そして何だかモヤモヤしてきた。訪日中国人の目的は爆買いのほかにはないのか。

旅行は買い物だけじゃない。「今まで生きてきたところと違う場所に来たのだから、少しでもこの国のありのままの部分を感じて、見て、楽しみたい」。そう思った私は観光客ばかりの街に行かず、自転車を借りて静かな日本らしい街を見て回った。朝、日本人がお互いに「おはよう」と挨拶する元気な声が耳に入った瞬間、今まさに私は日本にいるんだという実感が湧いてきた。

夜、自転車で近くのスーパーへ行き、食べ物を買った時、日本のスーパーは閉店前の夜8時頃から値引きすることがわかった。初めて日本のバスに乗って、中国のバスとこんなに違うのかとびっくりした。花火大会の時、若者たちが浴衣を着てワイワイ騒いでいる様子を見て、なんだか幸せな匂いを感じたような気がした。目立たない小さな料理店で本場の日本料理を食べ、日本人の日常生活を感じて、なんだか気分が良くなった。居酒屋で日本人の先生と食事しながら大声で笑って、ストレスが解消できる場所というイメージができた。

多分こういう些細なことは日本人にとって非常に普通の、何でもないことかもしれないが、外国人の私にとってはとても新鮮で、深い印象を残した。それに、外国人の視点からこの国を見て、いくつかの違いに自ら気づいていくことが一番楽しかった。

爆買いが話題になった時、日本のウェブサイトを見ると、訪日中国人にマナーを改善して欲しいというコメントがあふれていた。やはり複雑な気持ちになる。でもこういうコメントから学ぶことがあると思う。国によってマナーも違う。郷に入っては郷に従え。マナーと習慣が異なることをよく理解し、相手のことを尊重することが大切だと思う。それも我々訪日中国人にとって大切なことではないか。別に難しいことではないし、やれば誰でもできる。やっているうちにお互いの文化や生活習慣など相互理解の大切さも感じられる。私だって、日本に行って、ずっと前から抱いていた日本のイメージが実際には随分違うことに気づいた。そして考え方も少し柔軟になって、心境も良い意味で変化した気がする。

もう一つ気になったコメントは、日本の地方の魅力も知って欲しいというものだ。そういう気持ちはよく分かる。中国人でもきっと外国人観光客には上海や北京のような大都市ばかりだけではなく、中国の風格を十分体験できる地方にも来てほしい。本当に違う文化を味わいたいなら、地方に行って地元の人と交流したりするのは有意義なことではないか。我々も日本の地方に行ってもっとありのままの部分を感じたらどうだろう。

私は日本旅行で、お金で買えないものをいっぱい手に入れた気がする。もし誰かに日本について聞かれたら、私は話したいことがたくさんある。あなたはどうだろう。「あなたは本当に日本に行ったの?」と言われたくないなら、爆買い以外にできることはもうすでにあなたの心の中にあふれているはずだ。(編集/北田)

※本文は、第十二回中国人の日本語作文コンクール受賞作品集「訪日中国人『爆買い』以外にできること」(段躍中編、日本僑報社、2016年)より、陳子航さん(東華理工大学)の作品「あなた、本当に日本へ行ったの?」を編集したものです。文中の表現は基本的に原文のまま記載しています。なお、作文は日本僑報社の許可を得て掲載しています。