ベン・ウィートリー監督お気に入りの映画『フリー・ファイヤー』日本版ポスタービジュアル
 - (C) Rook Films Freefire Ltd / The British Film Institute / Channel Four Television Corporation 2016 / Photo:Kerry Brown

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 映画『フリー・ファイヤー』のベン・ウィートリー監督が電話インタビューに応じ、マーティン・スコセッシ(製作総指揮)やキリアン・マーフィ(出演)との仕事、そして日本版ポスターへの愛を語った。

 『キル・リスト』『サイトシアーズ〜殺人者のための英国観光ガイド〜』『ハイ・ライズ』などでカルト的人気を誇るイギリスのウィートリー監督が今回手掛けたのは、上映時間90分のほとんどが銃撃戦というブラックなアクションコメディー。『ダークナイト』シリーズのキリアン、『ルーム』のブリー・ラーソン、『コードネーム U.N.C.L.E.』のアーミー・ハマーらがふんする個性強すぎなキャラたちが銃取引のために集まったものの食い違いが生じ、それぞれが無茶苦茶に発砲しては被弾するという完全なカオス状態の中、廃墟を這い回る。

 登場人物たちは互いに撃ちまくるのに、なかなか致命傷を与えられないのがブラックな笑いを生んでいる。FBIの報告書を読んで研究したというウィートリー監督は「意外にも、実際に弾が当たった人はあまりいないんだ。相手は動いているし、距離もあるから撃つのが難しい。そもそも動かない的を撃つのもなかなか難しいし。普通の人が武器を取って使いこなせるなんて、ハリウッドでだけだよ」とこれがリアルな銃撃戦と語る。ワンシチュエーションで6,000発の銃弾を使う撮影には綿密な計画が必要で、「Minecraft(ブロックで建造物を作るゲーム)であのスペースを全部作って、3Dで歩き回れるようにしたんだ」とゲームも使ってシミュレーションしたと明かした。

 『フリー・ファイヤー』の製作総指揮には名匠マーティン・スコセッシが名を連ねている。ウィートリー監督作を気に入ったスコセッシとニューヨークで初対面を果たした後、彼の製作会社から「何か進めている企画はあるか?」と聞かれて本作の企画を送ったことがきっかっけという。「脚本についても少し話をしたけど、主に編集を手伝ってくれた。ニューヨークに行って彼に見せて、そのあとたくさん話をしたんだ。サウンドデザインについてが多かったね。音楽についても少し。でも彼が一番僕に与えてくれたのは自信だった」。

 ちなみに『サイトシアーズ〜殺人者のための英国観光ガイド〜』ではエドガー・ライト(『ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!』など)が製作総指揮を務めているが、こちらは音楽のアドバイスをくれたとのこと。「最初は1970年代のドイツのクラウトロックをたくさん使っていたんだけど、彼は『現代のものを使うことを恐れないで』と言った。もっとビッグな高い曲をね。すごく低予算の映画で、今まで高い音楽を使ったことがなかったから心配だったけど、彼は『リラックスして。使いたいものを使って』って。そのことは映画に大きな影響を与えたよ。『Tainted Love』(グローリア・ジョーンズ)を使ったし、フランキー・ゴーズ・トゥ・ハリウッド(『The Power of Love』)も」。

 その才能で名だたる監督たちを魅了し、彼の作品に関わりたいとまで思わせてきたウィートリー監督だが、『フリー・ファイヤー』の主演の一人であるキリアン・マーフィも同様に『キル・リスト』のファンだった。「キリアンは僕のエージェントを通じて接触してきた。『飲みにいかない?』って。で、会ったんだけど、僕らはすごくうまくいって、『もし一緒にできるような企画があったら、教えてほしい』と言われた。だから彼が出られる映画を書いたんだ」「面白い男だよ。なぜなら、カメラの前ですっかり変わるから。普通の人みたいに話せるけど、モニターで彼を観ると映画スターになっているんだよね」。

 また、本作の日本版ポスターが完成した際には、自身のTwitterでうれしそうに紹介していたウィートリー監督は「自分の映画の日本版ポスターができるのはご褒美みたいなもの」と語る。「映画ファンとして、他の国のポスターを見るのはとても興奮する。ジェームズ・ボンドや『スター・ウォーズ』シリーズといった1960年〜1970年代の日本版ポスターには、ほかの文化を通してその映画を見ているような気分にさせられた。デザインなんかも今まで見たものとは全く違っているけど、その一方でとても親しみがある。僕は日本版ポスターのデザインにただ夢中で、大好きなんだよ」と力説していた。(編集部・市川遥)

映画『フリー・ファイヤー』は公開中