【ソウル聯合ニュース】5月9日に投開票が行われる韓国大統領選を前に、北朝鮮が南北関係改善の必要性を連日主張している。
 北朝鮮の国外向けラジオ放送、平壌放送は27日、「北南(南北)関係の改善に祖国統一がある」と題した記事で「北南関係を改善することは、後回しにできない民族史的課題だ」と強調した。
 放送では南北関係が冷え込んでいることを指摘し、「われわれ共和国は7.4共同声明(1972年の南北共同声明)発表45周年と、10.4宣言(2007年の南北首脳宣言)発表10周年を迎える今年を、自主統一の新たな局面を開く非常に意義深い年とするために、誠意ある努力を傾けている」と主張した。
 また、「南朝鮮(韓国)当局が対決政策を転換し、北と南の和解と団結、関係改善を指向するなら、平和と統一の画期的な局面が開くだろう」と呼び掛けた。
 その上で、「北と南は相手を認め尊重し、共に手を取って祖国統一の道を進まなければならない同伴者だ」とし、「南朝鮮の当局者は、外勢ではなく民族に依拠して民族問題を解決していく方向に転換しなければならない」と促した。
 これに先立ち、19日には祖国統一民主主義戦線中央委員会の朴明哲(パク・ミョンチョル)書記局長兼議長が発表した談話で「今こそ朝鮮民族全体が一致団結して統一運動の全盛期を開いていかなければならない重大な時期だ」として南北関係の改善を訴えていた。北朝鮮の体育界に長年君臨し、体育相も務めた朴氏は、プロレスラーの力道山が義父で南北の体育交流の経験が豊富な人物だ。
 このように北朝鮮が韓国の大統領選を前に南北関係の改善ムードを盛り上げようとするのは、新たに発足する政権の対北朝鮮政策に影響を与えようとする意図だとの観測も出ている。 
 特に北朝鮮の対韓国融和政策で目立つのは、南北首脳間の対話よりも「統一大会合(南北の各界関係者が参加する、朝鮮半島の統一を願う会合)」のような民間交流を強調する点だ。
 北朝鮮は金大中(キム・デジュン)政権時の99年から01年まで統一大会合を頻繁に提案した。その後、盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権時の05年に統一大会合という言葉が北朝鮮のメディアに再び登場したが、06年以降は影を潜めていた。
 金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の就任以降も言及されなかった統一大会合の構想は、昨年6月に発表された「全朝鮮民族に送る要請文」で「全民族的な統一大会合を開催しよう」という提案で再び登場し、北朝鮮はこれ以来度々、統一大会合の開催を求めてきた。
 北朝鮮は昨年11月末と今月11〜12日に中国・瀋陽で韓国や海外の民間団体と接触し、「全民族大会(統一大会合)」実施のための実務的な問題を議論するなど、行動を起こしてきた。
 また今月に入り朝鮮労働党の外郭団体である檀君民族統一協議会などが、韓国の民間団体に南北関係改善のための運動に乗り出すよう求める書簡を送り、民間交流の布石を打った。
 北朝鮮が南北間の民間交流に焦点を合わせたのは、韓国で新政権が発足しても当局間の接触は早期の実現が難しいという現実を反映したものとみられる。
 韓国・東国大北朝鮮学科の金榕荽(キム・ヨンヒョン)教授は、「北も長い間断絶した南北関係の現実について十分に認識している」とし、「韓国で新政権が発足すれば、民間交流の活性化を突破口に南北関係を少しずつ改善していこうという戦略だ」と分析した。
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