映画『パッチギ!』より
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 現在放送中のドラマ「母になる」で初の母親役を好演し、絶賛の声が相次いでいる沢尻エリカ。だが彼女は10代のころから、素晴らしい演技と美しい姿を見せてきたことを忘れてはいけない。

 2003年のテレビドラマ「ホットマン」で連続ドラマ初出演を果たし、同年上戸彩主演の「ひと夏のパパへ」にも出演した沢尻だが、彼女の名声を最も広くとどろかせるきっかけになったのは、井筒和幸監督の『パッチギ!』(2005年1月公開)だろう。同作は60年代後半の京都を舞台に、在日朝鮮人の女子高生に一目ぼれした日本人高校生の恋の行方と、彼らを巡る若者たちの姿を活写した青春ドラマ。その中で沢尻は、ヒロインである朝鮮高校の2年生を演じ、当時19歳という若さで日本アカデミー賞新人俳優賞を含め、計9つにも及ぶ映画賞を受賞した。

 そして同年に、難病・脊髄小脳変性症を発病した15歳の女子学生を熱演したドラマ「1リットルの涙」が放送され、沢尻は同世代からも支持を集めるカリスマ的存在に。その翌年となる2006年には、作家・江國香織の原作小説を森田芳光監督が映画化した『間宮兄弟』で、北川景子演じる夕美の姉・直美役で出演。30代になっても同居を続ける仲の良い間宮兄弟(佐々木蔵之介&塚地武雅)と彼らを取り巻く女性たちの日常を鮮やかに切り取る本作で、沢尻がふんした直美はレンタルビデオ店でアルバイトをしている女子大生。劇中の浴衣姿も印象的だったが、自身の年齢と同年代の一般的な女性役ということで、素のかわいらしさも垣間見える作品となっている。

 さらにこの年の夏には、テレビドラマ「タイヨウのうた」に出演する。このとき沢尻は20歳。19歳の若者・孝治(山田孝之)と、難病を抱えた歌手志望の少女・雨音薫(沢尻)のラブストーリーが繰り広げられる本ドラマで、沢尻は「Kaoru Amane」という役名と同じ名義で同タイトルの挿入歌をリリース。オリコン月間シングルランキングでは第1位を獲得し、女優としてだけではなく歌手としての才覚もあらわにしていった。

 まさに沢尻エリカフィーバーが起こった2006年だが、さらに秋には映画『オトシモノ』で映画初主演。オトシモノを拾った女子高生たちが次々と恐ろしい目にあっていく、オトシモノの呪いを描いたホラー作品の同作で、女子高生役に挑んだ。『パッチギ!』の頃から沢尻の名前はアジア圏を中心にじわじわと浸透していたが、『今日、恋をはじめます』『ReLIFE リライフ』などの古澤健監督が手掛けた今作は、ハリウッドリメイクされ、日本コンテンツを世界中の英語圏にも提供する機会にもなった。

 その後さまざまな騒動や2009年の芸能界休止も経たが、現在再び女優としてブレイク中の沢尻。バラエティー番組などへの出演も多くなり、率直な意見を語る素直な一面をのぞかせる一方で、大人の女性の魅力もふりまき、美少女から美女へと成長した。ゴールデンウィークも重なるこの機会にもう一度彼女の少女時代に触れてみるのも一興かもしれない。上記の「タイヨウのうた」『パッチギ!』『間宮兄弟』『オトシモノ』は映像配信サービスdTVで配信中。(編集部・井本早紀)