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藤村岳の「男美均整のミナオシ」



「通常、男性がめったに触れないであろうコスメや身だしなみの最新情報や技術などを紹介し、日々の生活を新しい視点から見直せるようにしたい」という、男性美容研究家・藤村岳が、一流男子の所作や振る舞い、装いを身につけることの大切さを毎月綴る。

今回は健康にまつわる3つのエピソードをご紹介する。男性の身だしなみにまつわる話題を取り上げるのが本連載の目的だが、取材すれば取材するほど、表面に出てくる健やかさと美しさは体の内側と心の状態から切っても切り離せない、と実感したからだ。

まずはストレスと体について最近の体験から。「やる気が出ない」「夜の飲み会が億劫」「すぐ疲れる」そんな声を周りからよく聞く。否、気がつけば自分がそう発している。四十路半ばとなり、社会的な責任は重くなるのに体力は落ちる。「これが年を取るということか」と半ばあきらめの境地に陥っていたそんな時、街で偶然出会ったのが、松倉クリニック広報のIさん。「分子整合栄養学がさらにパワーアップして、松倉式のメディカル栄養療法になったんです。久しぶりに検査しませんか?」と言われ、即座にアンテナが反応した。

驚愕の結果に

とうとう禁酒を決意



この検査は昨年9月号の連載『美容クリニックでメンズセルフプロデュースを』の中でも紹介した。血液と尿を採取し、通常の人間ドックとは比べものにもならいほど多い60項目以上を精査する。そこから細胞レベルでの分子の乱れを読み解き、個々人の身体の状態を把握して各種の栄養素で治療するのが目的だ。

実は筆者は2011年にも受け、その時はそこまで悪くはなかった。近頃、不意に覚えるイライラや寝つきの悪さなど病院にかかるほどではないが、たしかにある不定愁訴の原因を探りたかった。

結果からすると筆者の場合、ほとんどのトラブルが肝臓から起こっていることが判明。一見、関係なさそうに思える各症状も原因を探るとすべて肝臓に行き着く。

診断をしてくださったのは院長の松倉知之先生。「お酒、減らしてくださいね。でも、これくらいなら治るから心配しすぎないように」と言われてホッとした。だが、毎日必ず晩酌し、スキあらば昼からも飲んでいたこの筆者がしばらく全面的に禁酒することを決意。酒をやめることで自分の体がどう変わるのか、興味を持ってしまったのだ。

今回は40歳オーバーという年齢を考慮し、ホルモン値の検査もプラス。ずっと男性更年期についても気になっていた。ずいぶん前にストレス検査を受けた時は「藤村さんは普段からストレス状態にあり、トラブルがあるとかえって落ち着く傾向がある」と言われていた。今回も「ストレスホルモンのコルチゾールが高めだからコントロールしたほうがいい」と松倉先生。

実際、ここにはホルモン補充療法を受けに通う人が多数いる。通常、保険診療で用いられる合成ホルモン剤は副作用が強く、長期間の使用はできない。が、ここでは連携するホルモン治療先進国のアメリカの医師による処方箋で、より安心なナチュラルホルモン製剤を処方してくれるのが有り難い。ただ、その違いを語り出すと紙幅が尽きてしまうのでまたの機会に。

これでお伝えしたいのはバラバラな症状でも実は関連していると気づけたことが大きな成果。今回の診断で総合診療で数々の難病を治すアメリカの医療ドラマ『ドクターハウス』を思い出した。症状を読み解き、対症療法ではなくその奥に潜む原因を治療する医療がこの先、必要なのだ。



松倉クリニック

住所:東京都渋谷区神宮前4-11-6 表参道千代田ビル9F 電話:03-541-3600

松倉式 メディカル栄養療法 血液・尿検査:2万1600円

総合ナチュラルホルモン補充療法 検査:4万1148円

※初診料は別途

男性の妊活は

スマホで精子チェックから



さて、ストレスとホルモンで思い出したが、こんなものにも出合った。リクルートの精子をセルフチェックができる『Seem』。これはiPhoneで自己の精液の動画を撮り、精子の運動率と濃度を測るもの。

不妊に悩むカップルは時間と費用、そして体と心の負担がかかる。特に女性の負担は男性は計り知れない。不妊の原因は女性と思われがちだが、約半数は男性にあるそう。過剰なストレスで精子数は減って運動率も悪くなるし、そもそも無精子症の人もいる。

残念なことに男性に「検査をして欲しい」とパートナーが頼むと、不快感を表す人が多いとか。たしかに婦人科へ赴き、自慰をして精子検査をするのは抵抗がある。このような気軽にチェックできるキットの存在は有意義だろう。

さらにテンガにも『テンガメンズルーペ』というキットがある。前出のものとは違い、アプリではなくスマホのレンズを使うのでAndroidにも対応。1620円と安価なのがいい。ただ、『Seem』のように精子の運動率や濃度を測定し、WHO基準値と比較することはできない。何はともあれ、重要なのは己の状態を知ること。それが巡り巡ってパートナーへの気遣いになると認識したい。



Seem

リクルート ライフスタイル

Seemキット概要 7538円

スマートフォン顕微鏡レンズ、精液採取用カップ、採取棒

対応OS:iOS8.0以上

対応端末:iPhone5/5s/6/6 Plus/6s/6s Plus/SE/7/7 Plus

幹細胞での再生医療が

手の届く範囲に



少子化で、高齢化が進む日本。先日、NHKスペシャルで「1300万人以上が認知症およびその予備群に」という内容の番組が放映され、筆者は不安を覚えながら視聴した。今後、介護の問題が重くのしかかってくることは間違いない。自分の健康だけではなく、親世代に直結する治療を知りたいと思い、世界でもトップレベルの再生医療クリニックへ取材に行った。

このアヴェニューセルクリニックでは、自己の脂肪もしくは骨髄から採取した幹細胞をクリニック内で培養し、注射や点滴で治療ができる。

同医院の辻晋作先生にこの治療を受けている患者のことを伺うと「最も多いのが関節痛を患った方。例えば、糖尿病等で人工関節を入れられない場合でも幹細胞の注射なら可能です。今まで我慢できない痛みがあった患者さんが1回の注射でかなり満足されています」とのこと。また「骨髄由来の幹細胞の点滴は脳梗塞後の治療や認知症を患った方にも対応してます」とのこと。美容的なアンチエイジング目的だとシワや毛髪などに用いられる幹細胞だが、その適用範囲は思った以上に進んでいた。

「幹細胞は損傷部位に働き、抗炎症作用と修復作用があります。脳梗塞後に幹細胞を点滴したとある患者さんは、再梗塞を起こしても明らかに軽い症状でした。また、小さな梗塞による物忘れ、認知力や意欲の低下、不眠、抑うつなど様々な適応症状があります」と辻先生は語る。



アヴェニューセルクリニック

住所:東京都港区南青山3-18-16 ル・ボアビル3F 電話:0120-382-300

局所注射療法/初回 64万8000円、2回目以降 32万4000円

点滴治療/2回セット 162万円 ※一年以内に完了

今回、取材を重ねて感じたこと、それは医療は希望だということ。あれもこれもと夢は膨らみ、適用すれば治療できる可能性は高いが、法律によってまだできない病気もたくさんある。しかし最先端の治療がある程度、手に届くところにあるというのは心強いこと。自分と家族の健康を守るのは、新しい知識なのだ。

文/藤村岳

※『デジモノステーション』2017年6月号より抜粋

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関連サイト



男性美容研究所 藤村岳 danbiken.net

藤村岳/大学卒業後、編集者を経て独立。シェービングを中心に据えた独自の男性美容理論で、総合情報サイトAll Aboutの「メンズコスメ」ガイドなどとして活躍中。最新著書に『一流の男はなぜ爪を手入れするのか?』(宝島社)がある。