敗血症性ショックで生存率30%から回復した女性(出典:http://www.mirror.co.uk)

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ビキニラインの脱毛処理がまさか命を脅かすことになろうとは誰が想像できるだろうか。英サウス・ヨークシャー州に住む女性もいつものように脱毛処理をしたのだが、これがとんでもない結果をもたらすこととなってしまった。英紙『Mirror』ら複数メディアが伝えている。

サウス・ヨークシャー州シェフィールドに暮らすダナ・セジウィックさん(44歳)が命の危機に瀕したのは、2012年5月のことだった。

「多くの女性がするように自分もビキニラインを剃った」とダナさんはいつものように新しい安全剃刀で脱毛処理を行った。しかしその2日後、体調に異変が起こったという。

眩暈と吐き気を覚えたダナさんは、股に小さなニキビがあるのを見つけた。ダナさんは「剃った時に赤い発疹ができることはよくあるので、別に気にも留めていなかった」そうだが、その小さなニキビは出血し続けており、気分も優れないことからかかりつけのGP(診療所)へ出向いた。

ダナさんはニキビ部分のまわりを綿棒で拭き取り細菌を調べる「スワブ検査」をしてもらい、抗生剤を処方され帰宅した。しかし自宅のベッドで横になっていた時に、18歳の長女がダナさんの脚が赤い発疹で覆われているのを見て尋常ではないことに気付いた。さらにGPから深刻な細菌感染症になっているので再検査が必要だと連絡を受けたダナさんは、夫マシューさん(47歳)の車でGPに向かうも、車を降りたところで意識を失い倒れてしまったのだ。

ダナさんは救急車でノーザン・ジェネラル病院の緊急医療病棟へ搬送され、そこで壊死性筋膜炎を患っていることが分かった。股部分にあった小さなニキビが原因でダナさんの脚は組織壊疽を起こしており、医師らはダナさんの脚の壊疽を少しでも止めようと10時間以上にも及ぶ治療を施し、感染していた皮膚部分を18センチほど切り取って背中の皮膚を移植した。

しかしその間、ダナさんは敗血症を発症してしまった。腎不全となり心臓が4回も停止する敗血症性ショックで生存率は30%とされ、医師は少しでも生存率をあげようとダナさんを9日間人工的な昏睡状態に置いた。

ダナさんは目が覚めた時、自分の両脚が包帯でぐるぐる巻きになっている姿を見て交通事故にでも遭ったのかと思ったという。医師から「脱毛処理をしたことを覚えているか」と聞かれ、思い出したダナさんに医師は「ニキビが感染症を起こしたんですよ。生存できたのは運が良かった」と言われたそうだ。

その後、特別治療のためにダナさんはやけど治療の病棟へ移動し、初めて自分の脚を見てショックを受けた。

「筋肉が腐っていて本当に酷い状態でした。ニキビの周りの皮膚がボコボコになっていて思わず吐き気を催したほどです。でも両脚切断や命を失うことになっていた可能性もあると知り、まだマシなのだと思いました。」

医師からは今後の歩行は不可能だろうと宣告されていたが、ダナさんは不屈の精神でリハビリに集中し、杖をついて歩けるようになるまで回復した。

6週間後に退院したダナさんは現在に至るまでの4年以上もの間、21回もの皮膚形成手術を受けた。両脚に深い傷が残ってしまったことで「もう自分の体じゃないように思える」と落ち込んだが、3人の子供と夫マシューさんから「よく頑張ったよ、命が助かっただけでも良かったじゃない」と励まされ、これまで支えられてきたという。

「UK Sepsis Trust(英国敗血症信託)」の最高経営責任者でありBEM(British Empire Medal 大英帝国勲功賞)受章者であるロン・ダニエルズ医師は、「ダナさんのようなケースは、敗血症が引き起こす深刻なダメージの一例といえるでしょう。敗血症によって患者の命が脅かされていることは少なくありませんが、じゅうぶん注意することで毎年多くの患者が命を救われています。ダナさんのように壊死性筋膜炎により敗血症が起こるというのは稀ですが、インフルエンザに似たような症状がある患者に対しては、医療機関のスタッフらが見逃さないことが最も重要です。敗血症は、早急に有効な抗生剤で治療しなければ一刻を争い、死の危険に繋がります」と話している。

出典:http://www.mirror.co.uk
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)