「横縞のシャツは太って見える」ということで、着用を避けている人もいるかもしれませんが、実際には横縞のシャツには通説とは真逆の効果があります。横縞の衣服が人にどのような印象を与えるのか、どのように着ればいいのかについて、ライターのTroy Patterson氏が解説しています。

How to Wear Horizontal Stripes in More Dressy Circumstances - Bloomberg

https://www.bloomberg.com/news/articles/2017-03-31/how-to-wear-horizontal-stripes-in-more-dressy-circumstances

1987年の映画「ウォール街」は貪欲かつ冷酷な投資銀行家の物語で、俳優マイケル・ダグラスの演じる主人公のゴードン・ゲッコーは作中で「強欲は進化の精神の本質をとらえる」「昼食は弱虫が食べるもの」といった明言を残しました。映画が当時のアメリカ社会に与えた影響は大きく、ゲッコーに憧れて投資銀行に入社する人がいたとも言われています。

ゲッコーの影響力を持っても社会に広まることがなかったのが、「勤務中の横ストライプシャツの着用」。ゲッコーの衣装をデザインした紳士用装身具商のアラン・フラッサーは横ストライプシャツの愛好家であり、作中でダグラス演じるゲッコーはビジネスマンには珍しく、縦ストライプとともに横ストライプのシャツを着用していました。



しかし、横ストライプのシャツに関しては、紳士服フォーラムのAsk Andy About Clothesでも「目立ちすぎる」「凝りすぎ」と言われるほか、数々の研究で「横ストライプはやせて見える」という調査結果が出ているにも関わらず、いまだに「太って見える」と信じられています。

例えば2009年の研究で示された横ストライプの服と縦ストライプの服を着た時の違いはこんな感じ。確かに横ストライプの方が輪郭がスタイルよく見えます。



「横線で満たされた正方形は上から下の方向に長く見え、縦線で満たされた正方形は左右の方向に長く見える」という現象は「ヘルムホルツの錯視」と呼ばれ、実は1925年には発見されていました。ヘルムホルツの錯視を利用すると、着る人の体形にかかわらず、横ストライプのシャツを着用している人は縦に長く、ゆえに細く見え、縦ストライプのシャツ着ている人は背が低く太って見えます。

ただし、ヘルムホルツは実際の人間が横ストライプ・縦ストライプを着ている時にどう見えるのか?という実験を行っていなかったため、長年にわたって研究者やデザイナーが3D環境における縦ストライプ・横ストライプの見え方の違いについて調査を行ってきたわけです。

The 3-D Helmholtz Square illusion: more reasons to wear horizontal stripes | JOV | ARVO Journals

http://jov.arvojournals.org/article.aspx?articleid=2135925



男性がカジュアルな横ストライプのシャツを着用することは徐々に増えてきましたが、まだビジネスシャツとして横ストライプが着用されることはほとんどありません。しかし、ライターのTroy Patterson氏によると、ゲッコーがそうであったように、横ストライプのシャツは見る人に「強さ」を印象づけるとのこと。そして、横ストライプのシャツを着るときにはスーツの色を抑えてネクタイの柄を控え目にすることがポイントだとPatterson氏は語っています。



by Mohammad Faruque