フォルクスワーゲン・グループ、アウディ傘下のドゥカティを売却か
数々のモータースポーツ活動から撤退し、売れ行きが芳しくなかったモデルの生産中止を発表しているフォルクスワーゲン(VW)だが、さらに今回、2輪部門のドゥカティを売却すると報じられた。ドゥカティは2012年にアウディの傘下としてVWグループに合併、その価値は15億ユーロ(約1,830億円)とも言われている。5年前、アウディはこの2輪ブランドをおよそ8億6,000万ユーロ(当時のレートで約910億円)で買収したと、ロイター通信が本件に近い筋の話として伝えている。2016年、ドゥカティの年間売り上げは5億9,300万ユーロ(約720億円)であった。

今回の売却に有力な買い手の候補がいるのかについては、VW、アウディともにコメントを避けている。また、ドゥカティの所有権に関する選択肢についてVWに見積もりなどの助言を行っている米国の投資銀行エバーコアも発言を控えた。

このドゥカティ売却の背景には、アウディがル・マンから、VWが世界ラリー選手権から撤退したのと同じ理由がある。VWはディーゼル車排出ガス問題が今後もその影を落とすことを鑑み、電気自動車の未来に焦点を定めているからだ。ロイター通信によれば、2012年のドゥカティ買収はフェルディナント・ピエヒ氏の見栄によるところが大きいと見られているという。「2012年4月にアウディがドゥカティの買収を発表した際、銀行アナリストはこの動きを疑問視していた。経済論理や企業としてのロジックが全くなく、単にVWのフェルディナント・ピエヒ前監査役会長がドゥカティのデザインと軽量エンジンのノウハウに惚れ込んでいたことが反映されているだけだった」と評されたのだ。

ピエヒ氏はすでにVWを去り、自身が所有するポルシェの株式の大部分を売りに出しているので、VWがこのイタリアの2輪ブランドを手放すには好都合である。前述の情報筋によると、中国やインドからドゥカティ買収に対する関心が寄せられており、また一方では、10年前にアストンマーティンを買収した英国プロドライブ社のデビッド・リチャーズ会長が率いる投資家グループも名乗りを上げているという。

By Antti Kautonen

翻訳:日本映像翻訳アカデミー