気まぐれな風に泣く…-0.3mで10秒04、土江コーチ「あの瞬間だけの向かい風」

 陸上の織田記念(エディオンスタジアム広島)は29日、男子100メートル決勝で桐生祥秀(東洋大)が10秒04(向かい風0.3メートル)で優勝。今季の国内自己ベストをマークしたが9秒台はならず。直前まで追い風が吹いていたが、気まぐれな風に泣き、土江コーチは「もうちょっとずれていたら、違う展開になっていたと思う」と悔しがった。

今季3戦目ですべて10秒0台の好タイムを出しての優勝。それでも、またも9秒台はお預けとなり、土江コーチは「レースが思い出せないくらいもどかしい」と本音を漏らした。

午後は追い風のレースが続き、15分前に行われた3レース前の女子100メートルB決勝では追い風2.0メートルと絶好の条件だった。「ほんの数分前後の追い風で走れていたら……」と同コーチ。「あの瞬間だけの向かい風。もうちょっとずれていたら、違う展開になっていたと思うけど、それは神様が決めることですから」と唇をかんだ。

 それでも、タイムのアベレージは伸びており、9秒台は時間の問題という。同コーチは「もう出ます。出すかどうか(という時期)の問題は過ぎている。どこかのタイミングで9秒台が出ても、そこがゴールじゃない。ロンドンでそういう選手たちと戦える選手にならないと」と語った。