家で使えるマスク型ウイルス検出装置も登場する?(画像はイメージ)

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東京医科歯科大学・生体材料工学研究所バイオエレクトロニクス分野の合田達郎助教と宮原裕二教授、医歯学総合研究科ウイルス制御学の山岡昇司教授らの研究グループは、インフルエンザウイルスのみを捕捉する「導電性高分子(PEDOT)」と呼ばれる機能性プラスチックの開発に成功したと、2017年4月19日に発表した。

ウイルスの特性を利用して素材開発

同大の報道発表によると、近年新型インフルエンザの流行が危惧されており、従来の遺伝子解析法などより迅速で、病院に行かなくても高精度にインフルエンザウイルスの型を判別できる検出方法が求められている。

研究グループはインフルエンザウイルス表面のタンパク質が、人や動物に感染する際に細胞膜の表面に存在する化合物の違いを認識していることに注目。インク液として材料に塗布・修飾できる機能性プラスチックにA 型インフルエンザウイルスが認識する化合物を組み込み、それを様々な物質の表面に塗布してテストしたところ、A 型のウイルスのみがプラスチックに結合することを確認したという。さらに、ウイルスの検出感度は従来の「免疫法」と呼ばれる手法に比べて 100 倍高いことも判明している。

この機能性プラスチックを応用することでマスクと一体になったウェアラブルセンサーが開発できれば、手軽なインフルエンザ早期診断が実現し、感染の拡大防止に繋がると研究グループはコメントしている。