FUJI号が羽田空港の外で展示されるのは初めて。就航時の制服や着物に身を包んだ客室乗務員(CA)が来場者を出迎える

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「空の貴婦人」として知られた往年の日本航空(JAL)機が、2017年4月29日に幕張メッセ(千葉市)で開幕した「ニコニコ超会議」にお目見えした。

このJAL機は日本に初めて導入されたジェット旅客機「FUJI号」(DC-8型機)で、羽田空港の外で公開されるのは初めて。就航時の制服や着物に身を包んだ客室乗務員(CA)が来場者を出迎えている。

全長8メートルの機首部分

FUJI号は1960年に導入され、初便は98人を乗せて羽田空港から米ハワイ・ホノルルを経由してサンフランシスコを計14時間半で結んだ。JALのブランドマーク「鶴丸」が初めて機体に描かれ、コックピットのすぐ後ろにファーストクラスのラウンジを設けた。壁には日本画家・前田青邨の装飾画を取り付け、窓は障子を入れ、床には畳のような模様が入ったじゅうたんを敷き「日本風」を強調した。一般の来場者が機内に入ることはできないものの、タラップを上ってドアまで近づき、ラウンジの様子をのぞき込むことができる。

FUJI号は1974年に引退し、その後は整備訓練用機として利用された。88年からは全長8メートルの機首部分が羽田空港内で保管され、今では工場見学ツアーの際に目にすることができる。今回の展示では、陸路と海路の両方を使ってFUJI号を幕張まで輸送。車高の問題で、全て陸路で運べなかったためだ。羽田空港から大井ふ頭まで陸路で、そこから船で習志野まで輸送。さらに陸路で幕張まで運んだ。

JALは87年まで計51機のDC-8型機を運航。同型機には昭和天皇が海外訪問の際に搭乗したほか、66年のビートルズの初来日でも使用された。それまでのプロペラ機と比べ航行時間が短縮され、ジェット機時代の幕開けを象徴する機体でもある。

「ニコニコ超会議」は4月30日まで開かれている。