シャープは28日、2016年度の連結決算において、営業利益が624億円の黒字になったと発表した。昨年の鴻海精密工業による買収後、急速に進めた改革が功を奏した。今期以降は構造改革を進めつつ、家電メーカーからIoT企業へと業態の転換を図る方針だ。

 2016年度の売上高は、前年比16.7%減の2兆506億円となった。営業利益は624億円となり、前年の1,619億円の赤字から3期ぶりに黒字化した。経常利益は250億円の黒字、最終損益は248億円の赤字。前年の最終損益2,559億円の赤字から、大きく縮小した。

 通期の売上高の減少は、円高の影響や北米での複合事業や国内でのソーラー事業の落ち込みが要因という。しかし、四半期ごとの状況では改善の傾向が見られる。第1四半期から第4四半期にかけては継続して増加しており、第4四半期では前年同期を7.9%上回る結果となった。事業拡大への取り組みが効果を表したという。

 特に第4四半期に売上増加に貢献したのは、IoT通信とディスプレイデバイスだ。IoT通信については、新規顧客の開拓が進んだ。ディスプレイデバイスでは、パソコン用の中型パネルの売上が伸びたこと、中国での液晶テレビの販売拡大が寄与した。前年の1,772億円の赤字から、35億円の黒字へと大幅な改善を果たした。

 営業利益はすべての事業分野で黒字を果たしている。構造改革やコストダウン・経費削減の効果が想定以上となったこと、また退職給付金費用が減少したことにより、利益が大幅に改善した。「コストダウン及びモデルミックス改善」で1747億円、「経費削減」で557億円、「構造改革」で1479億円の改善となった。

 鴻海の傘下に入ったことは、相乗効果があったと数字で示す結果となった。今後も構造改革を継続しながら、成長軌道への転換を目指す。2017年から2019年にかけて家電メーカーから、IoT企業として転換を図るという。5月26日には中期経営計画が発表される予定だ。

 鴻海は、東芝メモリの買収に向けてシャープにも協力を要請している。今回のシャープの決算発表は、鴻海に買収後の改善能力があることも示したと言える。