三宅義和・イーオン社長

写真拡大

■まず親が英語に関心を持つこと

わが子を英語好きにするには、まず親が英語に関心を持つことです。

最初から英語が嫌いな子どもはいません。小学校の英語が必修化になる前は、中学校1年生から英語を学んでいましたが、最初は誰もが興味津々だったはずです。ところが、夏休みをはさんで2学期ぐらいから授業についていけず、嫌いになる生徒が出てしまう。それは、従来は小学校では何も教わらず、中学校からいきなりアルファベット、発音、単語、文法といってもなかなかついていくのはむずかしいからです。

ですから、国語や算数といった他の教科がそうであるように、小学校から英語好きの素地を作るべきです。そういう意味で現在、小学校の時から英語に触れているのはよいことだと思います。ただし、最初は学習というよりコミュニケーションの手段として英語活動を行なうべきです。その際、家庭でも親が一緒に「英語って楽しいよ、英語って面白いね」と、子どものレベルに合わせてCDを聞くとかDVDを見たりするといいのではないでしょうか。

子どもは、すごく音に敏感でリズム感もいいですから、英語のイントネーションに慣れてくると、とても上手に発音します。そんなときは「うまい、すごくいい発音だよ」と褒めてあげることです。そうした、小さな成功体験を積むと、また次も「がんばろう」という気持ちになります。その繰り返しが英語好きを育てます。

現在、多くの子どもたちが英語塾や英会話スクールに通っています。英語ができる大人になるためには、継続することが大切です。小学校高学年になると、中学受験や他の塾に行くためやめる子がいますが、本当にもったいないことです。小さい時から学んだ英語は小学校高学年、中学生になって急激に伸びます。

■教え込むのではなく、発表を重視した学習方法

イーオンでは去年から、小学生の教材を改訂して、教え込むのではなく、自ら学びたいという意欲を大切にする内容にしました。子どもたちが共同作業をして、最後に英語で発表するわけですが、彼らの言いたいこと、表現したいことを大事にしています。その際には、子どもの創造性を刺激するような課題を与えるようにしています。その結果、500人以上のイーオンに通う小学生が昨年英検3級以上に合格しました(2016年第1回から第3回の英検)。

私事ですが、ずっとピアノのレッスンを受けていて、先日、発表会がありました。そのとき、3、4歳のお子さんがバイオリンを弾いてくれたのです。バイオリンもとても小さい。けれども、とてもいい音色で、上手に演奏しました。もう会場は拍手喝采で、その子にとっても、すばらしい成功体験だったのではないでしょうか。子どもにとって、そんな経験ほどうれしいものはありません。それが何か物事を好きになる秘訣かもしれません。

私はときどき、イーオンに通ってくる子どもたちに「どうして英語を学んでいるの?」と質問してみます。子どもですから、それほど明快な答えが返ってくるわけではありません。けれども、本当にイーオン大好きで、母親は週1回でいいと言っても、2回、3回来る子どもたちもいます。

彼らに「みなさん、将来たくさん友達を作りたいですか?」と聞くと、顔を輝かせて「はい。世界中の人と友達になりたい」と答えてくれます。小さい子どもでも、英語ができたら、世界に羽ばたけると信じているのです。勉強に夢と希望を持つ。そんな学習環境を与えることが大切だと思います。

----------

三宅義和(みやけ・よしかず)
株式会社イーオン代表取締役社長
1951年、岡山県生まれ。大阪大学法学部卒業。85年イーオン入社。人事、社員研修、企業研修などに携わる。その後、教育企画部長、総務部長、イーオン・イースト・ジャパン社長を経て、2014年イーオン社長就任。一般社団法人 全国外国語教育振興協会元理事、NPO小学校英語指導者認定協議会理事。趣味は、読書、英語音読、ピアノ、心身統一合氣道。

----------

(三宅義和・イーオン社長 岡村繁雄=構成 澁谷高晴=撮影)