4月から晴れて社会人になった新入社員たちは、今まさに各種の研修を受けている最中だろう。研修のなかで、社会人としての常識や礼儀、会社のルールなども身に着けていくことだろうが、日本という社会には実に多種多様なマナーが存在する。その煩雑さには、ネイティブさえもウンザリすることがある。(イメージ写真提供:123RF)

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 4月から晴れて社会人になった新入社員たちは、今まさに各種の研修を受けている最中だろう。研修のなかで、社会人としての常識や礼儀、会社のルールなども身に着けていくことだろうが、日本という社会には実に多種多様なマナーが存在する。その煩雑さには、ネイティブさえもウンザリすることがある。

 中国メディア・今日頭条は26日、「至るところに暗黙のルールがある・・・こんな『変態』なのは日本人だけだ」とする記事を掲載した。記事は「日本は非常に礼節を重んじる国であり、煩瑣な習慣が生活の節々に融け込んでいる。とても細かいことに対しても、相当厳しいのだ」としたうえで、2つの細かいマナーについて紹介している。

 1つ目は、手紙を返信する際のひと手間だ。「手紙を返信する際には、内容だけ良くてもダメ。宛名書きの部分を改めなければならないのだ」とし、返信用のはがきや封筒に書かれている「行」を「様」や「御中」に変える必要があることを伝えた。しかもその作法も「斜線ではなく横線で、しかも定規を使って消す」など面倒であると説明している。

 2つ目は、ハンコの押し方だ。「これは日本のビジネス界では不文律となっている」とし、社内文書などで複数の職位の社員が回覧してハンコを押す場合、職位の低い人はハンコを左に少し傾けて押すのがマナーであると紹介した。

 記事は「このような細かい部分にこだわり、ルールをしっかり守ることで初めて、日本人のモラルの高さや国全体の総合力に対する世界の評判が高められているのだ」と評している。

 中国のネットユーザーからは「ルールが多すぎる。米国人のようにフランクな方がいい」、「時間の無駄遣い。新時代のスピードに合わない」、「日本の競争力はこういったことで低下しているんじゃないだろうか」といった否定的なコメントが寄せられた。

 マナーやルールは、本来社会の営みや人間関係を円滑にするために形成されたもの。しかし、時代の流れとともにその見直しは必要であり、意味を失った、形骸化したマナーやルールはむしろ物事のスムーズな進行を阻害する可能性さえある。最低限の礼儀やたしなみは欠かせないが、そこに縛られ過ぎると、ネットユーザーが指摘するように時間の浪費や効率の低下を招きかねない。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)