(写真提供=SPORTS KOREA)

写真拡大

韓国の警察と聞くと、どのようなイメージを持つだろうか。

以前、韓国の“美しすぎる女性警察官”が世界中のネットで注目を集めたことがあったが、最近は暗いニュースが多いかもしれない。
(参考記事:世界中のネットで話題になった韓国の“美しすぎる女性警察官”の意外な正体

つい先日も、とある韓国メディアの取材によって、韓国警察のずさんな実態が暴露された。全国1065カ所に設置された「治安センター」が“開店休業”状態であることが発覚したのだ。

“開店休業”なのに年収600万円!?

「治安センター」とは、2003年に韓国警察が導入した組織のこと。

地域住民の最も身近な警察組織といえる派出所とは別に、苦情相談などのさまざまな便宜のために運営されているという。その名の通り、地域の治安を守るためにあるわけだが、派出所とは違って24時間勤務体制ではなく、日中だけ営業しているそうだ。

しかし、現実は“開店休業”状態だった。

韓国メディアが4月21日と22日の午前11時から午後4時まで、ソウルの治安センター10カ所を取材したが、営業していたのは1カ所だけ。「残り9カ所はドアが閉まっていて住民はもちろん、記者も入れなかった」。

建物のなかに警察官がいるにもかかわらず、ドアが閉まっているケースもあったという。

そもそも韓国の警察は、慢性的な人員不足が指摘されて久しい。

警察官一人当たりが担う国民数が452人と、他国に比べて相対的に高い。例えば、ドイツは一人当たり305人、フランス322人、アメリカ427人となっている。

それでいて、事件や事故は多い。

2015年の年間に警察が受け付けた112番通報(日本の110番)は1910万4883件。一日平均、5万2342件にも上る。同期間、日本の110番通報が923万件だったことを踏まえると、倍以上ということがわかるだろう。

地域レベルとなると、大小さまざまなトラブルも多い。

あるテレビ番組で、美人新米警察官が酔っ払いを介抱するシーンが放送されたが、自分の頭をかきむしりながら警察署に入ってきた泥酔気味の祈祷師から「お前の体内に宿る悪霊を取り払え!!」など、わけのわからない罵声を浴びたりもしていた。

そんな現状があるなかで、治安センターには主に引退を控えた老警官が務めており、治安センター長には年収6000万ウォン(約600万円)もの給料が支払われているという。派出所に勤務する警察官は「血税の無駄遣いだ」と嘆いている。

なぜ治安センターが開店休業状態で野放しになっているのだろうか。

韓国メディアの取材に答えたある警察官は「治安センター長は派出所所属となっているが、発令は管轄の警察署長が直接出す。派出所所長が、自分より先輩である治安センター長に勤務態度について口出しすることは難しい」と話している。

治安センターがそんな状態であることは、地域レベルで韓国の治安が不安視されるひとつの遠因かもしれない。

近年、日本旅行を楽しむ韓国人が急増しているが、韓国人が日本を好きな理由として「治安の良さ」を挙げることが少なくないのも頷けるだろう。

治安センターの実態を暴いた記事を見た韓国ネット民たちの反応は、呆れ気味どころか幻滅一色だ。

「国にお金がないのではない。税金泥棒が多いのだ」

「そういわれてみれば人がいるところを見たことがない」

「いざというとき治安センターに駆け込もうとするなよ。ドアが開いていないから」

「公務員に対する大々的な構造改革が必要だな」

「だから韓国は治安が悪いんだ」などと、不満をあらわにしている。

税金に対して韓国では厳しい世論が向けられることが多く、韓国人が反感を抱く3大犯罪に入るほど敏感だ。

いずれにしても、最近は何かと暗い話題ばかり取り上げられている感のある韓国の警察。治安を守るために、奮闘してもらいたいものだ。

(文=慎 武宏)