27日、韓国でこのほど行われた国家公務員9級採用試験は歴代最高の倍率35倍を記録し話題になったが、最近では試験結果を悲観して自ら命を絶つ受験生も出てきている。写真はソウル。

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2017年4月27日、韓国でこのほど行われた国家公務員9級(日本の国家3種に相当)採用試験は歴代最高の倍率35倍を記録し話題になったが、最近では試験結果を悲観して自ら命を絶つ受験生も出てきている。韓国・聯合ニュースが伝えた。

韓国では、やっとのことで入学した大学を卒業しても、すぐ就職できる人はごく少数。そのため、出身校や取得資格などの「スペック」が問われることなく公正に選抜し、就職・定年後も安定した生活が望める公務員試験に多くの受験生が集まるのも無理がない。公務員試験関連の予備校が立ち並ぶソウル・鷺梁津(ノリャンジン)では、狭いアパートの1室に暮らしながら数年にわたって公務員試験合格を目指す受験生が年々増加している。

しかし公務員への道は「前世に徳を積んでこそ可能」という冗談が出るくらい厳しいもので、今月8日の国家公務員9級の採用試験では4910人の定員に対して17万2000人余りが受験するなど、歴代最高の競争率を記録した。

倍率が高いということは、それだけ不合格者も多いということ。試験に落ちた若者たちは、ひどいストレスや精神的圧迫に悩まされているという。今月24日には、3年にわたって公務員試験を準備していたAさん(25)がサービスエリアのトイレで首をつった姿で発見された。Aさんは先月18日に行われた警察官採用の筆記試験に落ちて非常に落胆していたそうで、心配した母親が休ませようと、車で実家に連れて帰るところだったとされている。

同試験の合格発表があった先月23日には、ソウル市内の公園でBさん(32)が首をつっているのを散歩中の市民が発見した。横に置かれたかばんからは、公務員試験の問題集と遺書が書かれた手帳が見つかり、「両親に申し訳ない。これ以上生きていく気力がない。失敗の連続で絶望を感じる」などの内容が書かれていたという。20日には、全羅北道(チョルラプクト)全州(チョンジュ)にあるアパートでCさん(30)が首をつった状態で見つかり、管理人が警察に通報した。Cさんは2年にわたってアパートで受験生生活をしていたそうで、携帯電話には未送信の「お母さん、ごめん」と書かれたメールが残っていたそうだ。

この報道に、韓国のネットユーザーからは「若者が公務員試験に押し寄せる国は滅びる」「公務員がうらやましくないかと言ったらうそになるけど、こんなにたくさんの若者が公務員を目指しているのは国として哀れ。どうしたらいい?」「夢が公務員なんて悲し過ぎる!」と韓国の現状を嘆くコメントや、公務員試験の受験経験を持つユーザーからは「僕も20代に公務員試験を2回受けたが駄目だった。結局別の仕事に就いたけど、40代の今までちゃんと暮らしてる。さまざまな仕事があることだし、命を絶つ選択は絶対にしないでほしい」と願うコメント、若者に対して「公務員の何がいいの?入ってすぐに辞める人も多い。もっと多様な道を考えるべき」と促す声などが上がった。

一方、大統領選挙期間ということもあり「新政権には若者が公務員に命を懸ける原因を追究して代案を出してほしい」と新政権に期待するコメントや、「公務員はそれでも試験を受ける機会をくれる。会社は背景やスペックなしでは難しい」と韓国の就職難の深刻さが伝わるコメントも寄せられた。(翻訳・編集/松村)