2人の飼い主に見捨てられた老犬(出典:http://www.mirror.co.uk)

写真拡大

ペットを飼うからには最後まで責任をもって世話をするのは当然のことだ。しかしながら、悲しくも途中で責任放棄してしまう人があとを絶たない。このほど2人の飼い主に見捨てられた老犬が保護され、人々が怒りを露わにしていることを英紙『Mirror』など複数メディアが伝えている。

英ノッティンガムシャー州ワークソップで暮らしていたイヴォンヌ・ラドクリフさん(76歳)は、新しく出会った男性との新生活を始めるためにカナダへ引っ越すことになった。そこで飼っていた12歳の老犬“テッサ”の引き取り先を探していたところ、以前から「犬が欲しい」と隣人が言っていたことを思い出し、その隣人に引き取ってもらうことにした。

イヴォンヌさんは9年間知っていたその隣人を信頼していたのだろう。全く知らない人にテッサを託すより知っている隣人の方がいい…そんな気持ちもあった。そこで、隣人に「テッサを引き取ってもらえないか」と持ち掛けたところ「OK」という返事があったので、イヴォンヌさんはテッサを置いてカナダへと引っ越した。

しかしこの隣人は、本当は犬を引き取りたいという意思はなく隣人のよしみで思わず「OK」と言ってしまったようだ。後日、その隣人はテッサを無責任にも捨てたのだ。

4月23日の午前5時頃、チャリティー活動のためいつものようにカーブートセール(car boot sale:車のトランクに不用品などを入れて売ること)を開こうとやってきた動物救済サービスの慈善団体『South Yorkshire Pet Amburance』を運営しているアラン・ウェブスターさんは、草地に犬がいるのを見つけた。

犬の側には水が入れられたボウル、食べ物が入ったプラスチックの袋、毛布などがあり、その毛布はしっとりと濡れていたという。そして犬自身も濡れて体がかなり冷えていたようだ。アランさんは朝食にしようと持って来たライスプディングの缶をバンに入れて来た小さなストーブで温め、犬に差し出した。

そしてアランさんは、捨てられた犬の首輪にメモが挟まれてあることに気付いた。それは“テッサ”というこの犬を、元飼い主のイヴォンヌさんから引き取ったものの面倒を見切れずに捨てた隣人からの手紙だった。

「テッサは12歳です。私の犬ではありません。私にはその気がなかったのですがテッサの元飼い主の女性が私に引き取るように言ってきました。テッサは紅茶、コーヒー、ミルクに少し水を混ぜた飲み物が好きです。朝食は朝11時半にあげてください。元飼い主はもうカナダへ行ってしまいました。引き取り主ができたことで喜んでいたようですが、私は犬は要りません。」

アランさんは「こんなふうに犬を捨てるのは絶対に間違っています」と言う。そしてこの件をSNSに投稿したところテッサへの励ましのメッセージが数多く寄せられ、アランさんはその反響の大きさに驚いた。

そして驚いたのはアランさんだけではなかったようだ。この投稿をイヴォンヌさんの息子であるポール・エドワードソンさん(38歳)も見て、すぐにカナダにいる母イヴォンヌさんに何が起こったかを伝えた。ポールさん自身は、自分の母が引っ越すために飼い犬を隣人に引き渡したことよりも、この隣人に対し怒りを露わにしている。

「母は涙を流して『テッサはどうなるの』と心配していました。母は老犬のテッサを飛行機に乗せることに不安があったのです。身の回りの整理をするために、母はカナダからイギリスに6週間戻って来ていました。でも優先すべきことはテッサの新しい飼い主を探すことだったのです。見知らぬ他人に引き取られるよりも、という気持ちから隣人にテッサを託した時も、隣人は喜んでいたと聞いています。それなのに捨てるなんて。不快以上にとても怒りを感じています。隣人は反省の色もないようですが、厳しい処罰を与えるべきだと思います。」

テッサの第一発見者であり、21年間ペットの救済活動を行っているアランさんは、「イヴォンヌさんの隣人に尋ねたところ、『ほんの1時間前に捨てただけだ』と話していましたがそれは真実ではないでしょう。毛布も濡れていたし、テッサの体もずぶ濡れでした。テッサは一晩中、あるいは週末ずっとあそこにいたのかも知れません。もし私たちが発見しなかったらどうなっていたか。もし、犬を必要としないのなら私たち、もしくは然るべき機関に連絡すべきです」と隣人の行為を批判した。

その後、救助されたテッサは獣医院へ連れて行かれ念のために検査が行われた。そして現在は、ロザラムにある「Netherlands Kennels」という施設で新しい引き取り先を待っているという。

このニュースを知った人々からは、テッサを捨てた隣人に対しての批判は当然だが、元の飼い主に対しても「自分が引っ越すからって無責任だ」「可愛がっていたなら(カナダに)連れて行こうと普通なら思うはず」「新しい飼い主を探していたなら、どうして動物保護の慈善団体に相談しなかったのか」という批判の声があがっている。

出典:http://www.mirror.co.uk
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)