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ソニーは28日、2017年3月期通期の連結決算を発表した。売上高は前年比6.2%減の7兆6032億円、営業利益は、1.9%減の2887億円、当期純利益は50.4%減の732億円だった。

売上高については、為替変動の影響が大きな減収要因。しかし、ゲーム&ネットワークサービス分野、半導体分野の大幅な増収などにより、小幅な減収にとどまった。

営業利益については、モバイル・コミュニケーション分野における改善、ゲーム&ネットワークサービスなどにおける増益要因があった。しかし、映画分野において営業権の減損1121億円を計上したことがマイナス要因となって、減益となった。

当年度の営業利益には、今後実施予定の電池事業の譲渡にともなう減損423億円がコンポーネント分野に、外販むけの高機能カメラモジュールの一部の開発・製造の中止に伴う長期性資産の減損239億円と、昨年の熊本地震関連の費用154億円が半導体分野に計上されている。一方、エムスリーの株式の一部売却に伴う売却益372億円も計上されている。

第4四半期単体の決算では、売上高は前年同期比4.4%増の1兆9036億円、加えて営業利益944億円、四半期純利益は277億円と黒字化した。

エレクトロニクス6セグメントの合計で、第4四半期の営業利益が黒字となったのは、1997年度以来19年ぶりのこと。吉田憲一郎副社長は、「一定の成果が出てきたと考えている」と評価した。今後安定的な成長にむけては、いたずらに規模を追わないこと、新しいことにチャレンジしていくことが大事、との考え方だという。

あわせて発表された2018年3月期連結業績の見通しについて、売上高は17年3月期と比較して5.2%増の8兆円、営業利益は73.2%増の5000億円、当期純利益は247.9%増の2550億円だという。2015年2月に発表していた経営計画の目標値、営業利益5000億円以上、ROE10%以上は達成可能であると同社は見込んでいる。「中期経営計画達成にむけて、各事業が事業計画を相応に高い目線で策定したこともあって、為替リスクなど400億円のリスクバッファーを織り込んでいる」(吉田副社長)

モバイル・コミュニケーション分野においては、欧州、中近東、南米などにおけるスマートフォンの販売台数の減少などで売上高は32.7%減少し、7591億円だったものの、営業利益については、構造改革の効果や販売地域の絞り込み、高付加価値モデルへの集中によって収益性を改善、為替の好影響によって大幅な改善となった。2017年度の業績見通しについては、スマートフォンの販売台数の増加などによって増収増益を見込んでいる。

ゲーム・ネットワークサービス分野においては、PS4とPSVRについて「販売はいずれも順調に推移している」(吉田副社長)。ハードウェアの価格改定の影響などがあったものの、ネットワークを通じた販売を含むPS4のソフトウェアの増収、ハードウェアの増収によって、分野全体で増収。営業利益についても増益となった。2017年度の業績見通しについては、PS4関連の増収が見込まれるため、売上高、営業利益ともに増加予想となっている。

映画分野においては、売上高は対ドル円高の影響で減収となったものの、為替の影響をのぞけば、増収。会員制ビデオ・オン・デマンドからのライセンス収入の増加によるテレビ番組制作の増収。インド、中南米、米国での広告収入、視聴料収入の増加によってメディアネットワークが増収だった。営業利益については、先に述べたように営業権の減損の計上によって減益だった。2018年3月期については、メディアネットワークとテレビ番組制作の売り上げ拡大が見込まれるため、売上高は増収、前年の減損計上によって営業利益も改善する見通しになっている。

会見の席上で、ソニー・エンタテインメントCEOだったマイケル・リントン氏の後任については、現在選定中だと明らかにされた。

2018年3月期の見通しについての詳細は、5月23日に行われる経営方針説明会で明らかになる予定だ。営業利益5000億円、ROE10%への道をどのように描くのか、注目したい。

(冨岡久美子)