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「コレってどうなの?」がわかる。気になるデジタルグッズの深堀りレビュー。今回は、キヤノンのミラーレスカメラ 『EOS M6 ダブルズームEVFキット』を使い倒します!

キヤノン

EOS M6 ダブルズームEVFキット

実勢価格:15万1200円

※『EOS M6 ダブルズームEVFキット』は、『EOS M6』ボディに加え、電子ビューファインダー『EVF-DC2』、『EF-M 15-45mm F3.5-6.3 IS STM ブラック』と『EF-M55-200mm F4.5-6.3 IS STM』のレンズがセットになったモデルです。



Front



Side



Side



Rear



Top



Bottom

【基本スペック】

有効2420万画素、APS-Cセンサー、デュアルピクセルCMOS AF、Wi-Fi/Bluetooth対応

『EOS M6』ってどんなカメラ?

必要に応じてEVFを着脱できるコンパクトさが魅力の1台



キヤノンから、ミラーレスカメラの新顔として『EOS M6』が登場した。2015年に発売された『EOS M3』の後継機であり、基本デザインを受け継ぎながら、各部の性能がブラッシュアップされている。中でも最大の進化点は、各種操作レスポンスがいっそうスピーディになったこと。AFシステムには、CMOSセンサーの全画素を使用して位相差検出AFを行う独自技術「デュアルピクセルCMOS AF」を採用。これによって縦横だけでなく、奥行き方向の動体追尾に新対応した。さらに処理エンジンが「DIGIC7」へと変更されたことで、従来の2倍以上の速さの連写や、最高60PでのフルHD動画記録などが可能になった。さらに電源がボタン式からレバー式に変更されたり、サブ電子ダイヤルが追加されるなど操作面にもさまざまな改良がみられる。

上位機『EOS M5』との主な違いは、EVFを装備せず、ボディの小型軽量化を優先したこと。EVFは外付けタイプがオプションとなるので、必要な人は限定発売のEVFキットを選ぶといいだろう。

【2層構造の液晶モニタを採用】



▲撮像素子には「デュアルピクセルCMOS AF」対応の有効約2420万画素センサーを搭載。撮影とAF駆動の両方に使われる、キヤノン独自のセンサーだ。

【撮影の自由度を高める「AFフレームサイズ小」】



▲AFフレームサイズが「標準」と「小」の2つから選択可能になったほか、新AF方式として動体用に適した「スムーズゾーンAF」が選べるようになった。

『EOS M6』の操作性をチェック



【ダイヤルの追加でアクセス性が向上】



▲サブ電子ダイヤルが追加されたほか、メイン電子ダイヤルはやや大型化し操作感が向上した。



▲背面はボタンの数や位置は従来と同じだが、割り当てが変わっている。側面にはWi-Fiボタンとリモコン端子が追加。

【180度まで開くチルト可動液晶を装備】



▲下開きの『EOS M5』とは異なり、上開きのチルト液晶を採用。ロー/ハイアングル撮影や自分撮りに○。



▲タッチ操作でAFエリアの選択やシャッターを切ることが可能。液晶サイズが3.0型と大きく、視認性は良好だ。

【コンパクトな外付けEVFが新発売に】



▲小型軽量なEVF「EVF-DC2」が新発売に。円筒形デザインがよく似合う。可動機構はない。



▲EVFはフル表示と縮小表示の切り替えができるほか、縦位置に構えると自動的に縦型のレイアウトに変更されるのが便利。

『EOS M6&ダブルズームレンズキット』の画質をチェック



【A4プリントにも適した細部表現力】



▲花びらの1枚1枚までをくっきりと再現。白と薄いピンクが混ざった桜の微妙な色彩も正確に描写できている。(※画像クリックで拡大画像が開きます。)

【構図の自由度を高める可動液晶】



▲チルト液晶を生かしてローポジションで撮影。感度はISO800まで自動アップしたが、暗部ノイズは目立たない。(※画像クリックで拡大画像が開きます。)

【滑らかなボケと高解像の両立】



▲望遠ズームの200mm側で撮影。ピントを合わせた銅像部分はシャープに解像し、素材感がリアルに再現されている。(※画像クリックで拡大画像が開きます。)

使い倒しインプレッション

上位モデル同等の画質と高速性を小型ボディに凝縮



小さく軽く、取り回しに優れ、オート撮影でも画質の安定感が高い。これが『EOS M6』を使用して感じた率直な印象だ。最近のミラーレスカメラはハイスペック化に伴いボディが大きく重くなる傾向だが、本機は高機能と携帯性をバランス良く両立している。キット付属の標準レンズを装着しても男性の手の中に収まる程度のサイズであり、レンズを含めた使用時の重量は520gと軽い。加えて、主に樹脂素材の外装ながらしっかりと剛性があり、グリップから側面にかけて巻き付けられたシボ革風ラバーの手触りも良い。

そして、電源を入れると約1秒で素早く起動。AFはスムーズに作動し、すばしっこく走りまわる子どもに対しても確実に追従するフォーカス性能を実感できた。上位モデルの『EOS M5』同等となる「デュアルピクセルCMOS AF」のおかげだろう。連写速度がAF追従で最高7コマ/秒に高速化したことや、撮影直後の液晶ブラックアウトが短縮したこと、シャッター音のキレが増したことなども見逃せない。こうした各部のブラッシュアップの積み重ねが、全般的な使い勝手の良さにつながっていると言っていい。

機能面では、液晶画面のタッチ操作で各種設定をダイレクトに変更できる「クリエイティブアシスト」や、最適なシャッター速度に自動設定される流し撮りモード、5種類の効果が選べるHDR機能などが便利に感じた。Bluetoothによるスマホとの常時接続機能や、2軸の電子水準器、カメラ内RAW現像機能もある。惜しいのは、動画が最大でもフルHD記録となり、4K記録に非対応なこと。最新ミラーレスカメラとしては少々物足りない。

画質については、オートの露出とホワイトバランスにブレがなく、撮影シーンを問わずクリアで見栄えのいい描写が得られた。暗部から明部までの滑らかなトーンの再現性や、ISO 1600でも十分実用的な高感度性能も気に入った部分だ。ちなみにキットレンズの光学性能は標準レベルだが、マウントアダプターを介してより高級なレンズを装着すれば、2420万画素センサーの高解像力をさらに際立たせられるだろう。

派手さはないが、画質と操作性というカメラとしての基本部分に安心感を覚える製品に仕上がっている。

結論

【ここが○】

・小さく軽いボディながら、上位機『EOS M5』同等のクリアな画質と多機能を実現。

・メインとサブの2つのダイヤルによって、各種パラメーターを素早く変更できる。

・スピーディなAF駆動と高速連写によって、動きのある被写体もしっかり捉える。

【ここが×】

・ストラップリングが少々特殊で、一般的な三角環が使えない。静音モードがない点も△。

画質と機能、携帯性を両立したバランス重視のミラーレスカメラ



EVFを外付けにすることで小型軽量を実現。普段は主に液晶モニターを見ながら撮影し、ときどきEVFを使いたいユーザーに最適だ。画質や操作感の心地良さは、さすがキヤノンと感じさせる。尖った機能やギミックはないが、そんなコンサバなところもキヤノンらしい。

 

▲マウントアダプター『EF-EOS M』を使えば、ラインナップ豊富なEF/EF-Sレンズが使え、ボケ表現も楽しめる。(※作例は画像クリックで拡大画像が開きます。)

【SPEC】

サイズ:W112.0×H68.0×D44.5mm 重量:390g(付属充電池およびメモリーカード含む) 撮像素子:APS-Cサイズセンサー 有効画素数:2420万画素 レンズマウント:キヤノンEF-Mマウント 背面液晶:3.0型チルト式タッチ対応 最大記録サイズ:6000×4000ドット(静止画撮影)、1920×1080ドット最大60p(動画撮影) ISO感度:ISO100〜25600 AF:デュアルピクセルCMOS AF方式、49点測距 AF方式:1点AF、顔+追尾優先AF、スムーズゾーンAF[AFフレーム:小サイズ対応] シャッター速度:1/4000〜30秒 通信機能:Wi-Fi、Bluetooth、NFC

文・作例/永山昌克 製品撮影/江藤義典

※『デジモノステーション』2017年6月号より抜粋

関連サイト



『EOS M6』製品紹介ページ

キヤノン公式サイト

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