BufferOpen:私は最近、分散型チームであるとはどういうことか、メンバーがリモートで働きながら業務を遂行する企業の本質とは何かについて、よく考えを巡らせていました。

私たちBufferでは、チームの成長にともない、リモートワークの拡張が課題となってきました。リモートワークを実施している企業は世の中にまだ少なく、それはつまり、リモートフレンドリーなカルチャーを選んできた私たちにとって、取り組むべきことが2つあることを意味します。

1つの企業、1つのチームとしていかに成長するかという一般的な課題に取り組む

リモートワークを拡張する方法を学習することに時間を使う。この課題については既存のシナリオは存在しない。

Bufferで最近行われた大きなコミットメントの1つは、自分たちのリモートワークの文化に忠実であり続けながら、企業の成長目標に長期的な視点で取り組もうというものです。これは、たとえ短期的な財政的成長を犠牲にしているような気がしても、リモートワークを拡張するための時間を意識的につくるということです。

優れたリモートワークカルチャーをつくることが、今後何十年にも渡って配当を受け取れる投資になると私は信じています。この作業を長期に渡り続けることができたら、Bufferを、私たちに多大なメリットと自由をもたらす会社にすることができるはずです。

私の見解では、リモートワークは規模として、「リモートワークではない」から「完全に分散」まで、5つの段階に分けられます。


1. オフィス中心の職場環境(リモートワークではない)

スペクトラムの一方の端は、現在の企業にとっておそらく最も一般的な仕事環境です。このモデルは、1つあるいは複数のオフィスの中でチーム全体が働きます。

これらの企業は、厳格な、あるいは、ある程度柔軟性のある勤務時間が決められています。従業員は基本的にオフィス内で一日中働き、自由な行動は許されません。従業員が自分で仕事環境を選ぶことも、自分が最も生産的になれるスペースにこもることもできません。

もちろん、オフィス中心の仕事環境にも良い点はたくさんあります。人間関係が自然と密接なものとなり、友情が生まれやすくなることです。また、ホワイトボードを使って議論したり、ブレインストーミングを行うなどの生産的な活動もスムーズに行えます。職務に慣れていない人がいても、周囲が自然と助けるので、どうしていいかわからず立ち往生するということもありません。


2. 在宅勤務のオプションを備えたオフィス中心の職場環境

2つめの段階は、オフィス中心の企業が、従業員に週に1日以上の在宅勤務オプションを与えはじめた段階です。スタートとしては理想的な形で、リモートワークカルチャーをテストするのにはぴったりのやり方です。

この程度の小さなリモート性でも、導入するときには、社内のカルチャーが試され、チーム内で業務がどのように行われるかについて、いくつかの重要な変革が要求されます。たとえば、チームの何人かが在宅で仕事をしているときには、チーム内のコミュニケーションはメールやチャットなどのツールが中心とならざるをえません。オフィス中心の職場環境において信頼関係の礎でもあった、従来型の顔と顔を合わせるコミュニケーションはできなくなります。

このアプローチを試すときに重要なことは、在宅で働くメンバーが、チームの重大な決定につながる議論から排除されていると感じないようにすることです。大多数がオフィスで働き、ごく一部が在宅で働いている場合、在宅の人たちは、疎外感を感じやすくなります。


3. 単一タイムゾーン内のリモートチーム

本格的なリモートワークがはじまる段階です。この段階のリモート企業は、タイムゾーンが同じか、大部分が重なるところに住んでいるメンバーでチームを組みます。

本格的なリモートの設定なので、オフィス中心のチームとは、業務の行われ方がガラリと変わります。ここでは、テキストベースのコミュニケーションやコラボレーションツールが活躍しはじめます。

とはいえ、この段階ではまだ、チームメンバーの勤務時間の多くが同じ時間帯に重なっています。ですので、少なくとも、誰かが助けを必要としたときに、ほかのメンバーが助けてくれることを期待できます。日常業務の多くは、従来通りの同期的なやり方で進められ、スムーズに進行します。


4. 複数のタイムゾーンにまたがる世界規模のリモートチーム

さらに進むと、メンバーが複数のタイムゾーンに散らばる世界規模のチームとなります。この段階では、非同期コラボレーションの重要性が高まります。ほかのメンバーと勤務時間が数時間しか重ならないメンバーが多くなります。この設定では、コミュニケーションとコラボレーションを効果的に行うための、さらなる仕組みが必要となります。

この設定を採用した企業は、特定の業務を同じタイムゾーンに集中させることがあります。それ以外では、完全に場所に依存しない設定になります。いずれの場合でも、チームメンバーは基本的に、それぞれの場所に長期に渡って居住していることが前提となります。そのため、企業はチームの組み立てに一貫性を持たせることができ、タイムゾーンが重なる者同士の同期的なコミュニケーションを期待することができます。

このような完全にリモートな設定にはたくさんの課題がありますが、メリットもたくさんあります。大きなメリットの1つは、カスタマーサポートやエンジニアリングを24時間提供できることです。


5. ノマドなチームメンバーがいる完全分散型のチーム

おそらくこれが、最も極端なリモートワークの形です。メンバーの中にノマドや旅人がいる、完全にリモートなチームとなります。

現在、Bufferが採用している分散型チームの組み立ては、私たちがよりスマートに暮らし働くために、自分たちの価値観を中心とした、未来指向の職場を創造しようというビジョンを反映したものとなっています。この、5段階目となるリモートワークの最終形態は、私がBufferをそこに到達させたいと渇望している究極のレベルです。

現状、効果的なコラボレーションシステムを使ってはいても、Bufferがチームメンバーにこのレベルの自由度を許すまでには、まだ課題が残っているように思われます。私が考えるマイルストーンは、メンバーが場所を移動しても、業務が滞りなく続くようにすることです。もちろん、新しい場所に移動すれば生産性に影響が出ることは頭に入れておかなければなりません。それでも、生産性の課題を克服できるようなチームのコラボレーションが生まれることを、また、メンバーがどこにいようと同じように業務を遂行できるようになることを、私は信じています。チーム内のノマドな人たちを抱えながら、効率的に業務を回すためには、こうしたことが本当に必要となるでしょう。

オープンソースが、この設定の核となる、何らかの非同期コラボレーションツールをもたらしてくれると信じています。同期的なチャットツールにはいろいろと問題がありますから。とはいえ、カルチャーを醸成し、絆を深めるには、同期的なチャットツールやビデオ通話が効果的なのは間違いありません。おそらく、「業務がどのように行われるか」と、そうした同期的コミュニケーションを切り離すことが鍵になると思います。


この記事はJoel.isに投稿されたものです。


There are 5 Points on the Scale of Remote Working. Here's Where We Fall at Buffer | BufferOpen

Joel Gascoigne(訳:伊藤貴之)
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