中国が5月に北京で開くシルクロード経済圏構想「一帯一路」の国際協力サミットフォーラムに自民党の二階俊博幹事長が出席する。日本政府は北朝鮮問題をにらみ、与党重鎮を派遣することで、中国に配慮したとみられる。写真は「一帯一路」サミット会場。

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2017年4月28日、中国が5月14、15日に北京で開くシルクロード経済圏構想「一帯一路」の国際協力サミットフォーラムに自民党の二階俊博幹事長が出席する。中国は世耕弘成経済産業相の出席を求めていたとされる。日本政府は北朝鮮問題をにらみ、与党の重鎮を派遣することで、中国に配慮したとみられる。

「一帯一路」サミットは中国が今年の最重要国際会議と位置付ける。王毅外相によると、首脳級で出席するのはロシアのプーチン大統領やフィリピンのドゥテルテ大統領、ミャンマーのアウン・サン・スー・チー国家顧問ら。このほか110カ国が閣僚級や政府当局者、専門家らの代表団を派遣する。グテレス国連事務総長のほか、世界銀行や国際通貨基金のトップら61の国際機関からも代表団が参加する。

しかし、主要7カ国(G7)首脳で出席するのはイタリアのジェンティローニ首相だけ。安倍晋三首相は不参加で、米国のトランプ大統領はもちろん、フランスのオランド大統領、英国のメイ首相、ドイツのメルケル首相、カナダのトルドー首相も出席を見送った。韓国メディアによると、在韓米軍への高高度迎撃ミサイル(THAAD)配備をめぐり中国と関係が悪化している韓国には招待状が届いていないという。

二階氏は中国と太いパイプがあることで知られ、15年5月には政財界の要人ら3000人の大代表団を率いて訪中。習近平国家主席とも会見し、安倍首相の親書を手渡すなどした。昨年8月、幹事長に起用された際、中国共産党中央委員会機関紙・人民日報系の環球時報は「知中派」と“歓迎”していた。ちなみに東京・上野動物園のパンダは2頭だが、二階氏の地元・和歌山のアドベンチャーワールドには7頭もいる。

日本メディアによると、二階氏の派遣は「北朝鮮が核・ミサイル開発を強行する中、北朝鮮に強い影響力を持つ中国に大きな役割を果たすよう促すため」。二階氏の訪問は副総理級の待遇になる見通しで、経団連の榊原定征会長も同行する予定だ。菅義偉官房長官は世耕経産相の出席も検討中としている。

政権与党の重鎮でもある二階氏の「一帯一路」サミット出席は、安倍政権として日中関係を重視していることを示す狙いもある。日中首脳会談に向けた地ならしも期待している。二階氏は「北朝鮮をめぐる情勢をはじめ、現下の国際情勢を考えれば、日中間の意思疎通は極めて重要だ」と意欲を語っている。

二階氏について、中国共産党中央委員会機関紙・人民日報はロイター電を引用し、「自民党の重鎮で党内での序列は安倍首相(総裁)に次ぐ」と紹介。「朝鮮半島情勢が緊迫化する中、安倍首相が二階幹事長を国際協力サミットフォーラムに派遣することから、中国との関係改善を望む姿勢がうかがえる」との見方を示している。「(編集/日向)