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半導体市場調査会社である米IC Insightsは4月27日(米国時間)、 2016年の世界マイコン市場の売上高ランキング・トップ8社を発表した。これによると、2015年12月に米Freescale Semiconductor(2015年に3位)を買収したNXP Semiconductor(2015年に6位)がルネサス エレクトロニクス(2015年の1位)を抜いてトップに立ったという。NXPのマイコンの売上高はFreescaleの買収もあり、前年比116%増となる29億ドルに達したという。

○M&Aを実施したマイコンサプライヤのみが業績を伸ばす

IC Insightでは、マイコン業界の動向について「過去数年間、マイコン市場の成長は鈍化し、停滞していたが、IoT、自動車、ロボット、組み込み用途などにおけるシステムの中心的な存在として息を吹き返してきている。主要なマイコンサプライヤは、これらの新分野へ進出してポートフォリオを改善しようとしており、その足場を迅速に構築することを目指し、競合相手に対するM&Aを積極的に進めている」と総括している。

世界のマイコンサプライヤ売上高ランキングを見ると、Freescaleの買収で売上高を倍増させたNXPのみならず、2桁成長を遂げたのはいずれも競合であるマイコンサプライヤの買収を行ったところばかりとなっている。

トップとなったNXPは、Freescale買収以前はスマートカード用の8/16ビットマイコンが主流であったが、Freescaleのポートフォリオが加わったことから、車載半導体でもトップに立っており、マイコン、車載半導体ともにルネサスを抜いた形となった。

また3位に入ったMicrochip TechnologyはAmtelを買収することで、売上高を前年比50%増と躍進した。同社は、Atmelを買収するまでは、大手マイコンサプライヤの中で唯一、ARMからライセンスを受けておらず、MIPSアーキテクチャを一貫して活用してきた経緯があった。しかし、AtmelはARMコアを活用してきたこともあり、現在同社はMIPSとARMという2つのアーキテクチャを活用するユニークなマイコンサプライヤとして存在感を発揮している。

そして8位のCypress SemiconductorはSpansionを買収することで、売上高を同15%増とした。Spansionは、もともとAMDと富士通の合弁会社(FASL)として、NOR型フラッシュメモリを製造していたが、2009年にチャプター11(米国連邦倒産法第11章)の適用を申請。その後、同法適用からの脱却を果たし、事業分野を拡大。2013年に富士通セミコンダクター(FSL)のマイコンならびにアナログ部門を買収したことでマイコン製品を獲得した。今回の売上高は、そのSpansionのマイコン製品と、従来からCypressが有していたアナログ回路搭載マイコン「PSoC」を合算した売上高となっているという。

一方、こうした競合他社の買収を行わなかったマイコンサプライヤはというと、1桁成長もしくはマイナス成長という結果になった。特にルネサスは、2011年にはマーケットシェア33%を誇っていたが、2016年にはこれが16%へと半減させてしまっている。

また、マイコンサプライヤ・トップ8社中、前年比で14%減と大きく減速した4位のSamsung Electronicsだが、これはスマートカードマイコン市場の低迷が主な原因であるという。

(服部毅)