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東京都は4月28日、毎朝の通勤の快適化を目的とした「第一回 快適通勤プロモーション協議会」を開催した。協議会には小池百合子東京都知事と東京急行電鉄(以下東急)を始めとする賛同企業が登壇し、通勤の快適化による働き方改革を呼びかけた。

○満員電車問題を解消できるか

働く人の朝を憂鬱にする満員電車。国土交通省が発表した朝の通勤電車の混雑率(平成27年/東京エリア)は31区間平均が164%、東京メトロ東西線やJR総武線(緩行)では199%にのぼる。

快適通勤プロモーション協議会が提案する「時差Biz」は、出社時間をずらすことで通勤ラッシュを軽減するというもの。「ラッシュの緩和による通勤の快適化」「時差出勤による朝夕の時間の有効活用」「企業の生産性の向上」などの効果が見込まれるという。働き方改革に協議会に登壇した小池百合子都知事はプロジェクトについて次のように語った。

小池都知事「日本人は『通勤ラッシュの満員は当たり前』だと刷り込まれているかもしれませんが、意識改革をしていくべきではないかと思います。それにより生産性の向上が確保できるのではないでしょうか。私も学生時代には電車で通学しておりましたが、満員電車のため乗換駅で降車できず、次の駅まで連れて行かれたという経験がありました。それで満員電車に乗らない生活をするにはどうしたら良いかと考え、自身のスキルを身に付けるという方法を選び中東に旅立ちました。満員電車が私の人生設計における1つのファクターになっているのです。『働き方改革』は国家としても取り組むべき大きなキーワードです。快適に通勤できて、快適に仕事ができることにより、都民のみなさんが生産性をあげ、家族とともに楽しい生活を行っていく。それが私が考える都民ファーストの政策です」

公共交通機関の混雑は2020年東京オリンピック・パラリンピック大会にも大きな影響を与えると予測されている。東京都では2020年東京オリンピック・パラリンピックを見据え、7月11日〜25日までの2週間を「快適通勤ムーブメント」と定めて「時差Biz」の取り組みを行う。

小池都知事「ロンドンオリンピックでは観光客の急増により公共交通が混雑するという予測を踏まえて、多くの企業がテレワーク勤務を徹底しました。その結果、見えないレガシーとしてテレワークが定着したというのがロンドン大会の特徴と言えます。東京都も時間・場所にとらわれずに働くことができるテレワークをしっかりと推進していきたいと考えております。今後、国との提携も行いテレワークを推進する様々な取り組みをワンストップで行ってまいります。また7月24日は国で『テレワークデー』を開催すると発表されています。2020年7月24日は東京オリンピックの開会式が行われる日です。7月24日にテレワークデーを開催することにより、都民そして国民の皆様の働き方に関する意識を変える大きなムーブメントを起こしていきたいと考えております」

「時差Biz」では賛同企業がフレックスやリモートワークなどの取り組みを実施するほか、鉄道各社もキャンペーンなどの施策を行う予定だ。東急電鉄では田園都市線該当区間で早朝乗車をすると東急ポイントを付与する他、池尻大橋―渋谷間の定期を持つ人が同区間のバスを無料利用できる「バスも! キャンペーン」などを実施する。また、東京地下鉄でも東西線該当区間を対象とした「早起きキャンペーン」などの取り組みを行っていく。

小池都知事「『快適通勤ムーブメント』の実施と成功には、企業と鉄道利用者が同じ意識を持ち、一斉に取り組みを行う必要があります。私は2005年の環境大臣時代に『クールビズ』の取り組みを始めました。当時の経団連会長であった奥田碩氏(元トヨタ自動車会長)自らが実施してくださり、経団連各社が『せーの』で始めたからこそ定着したと思っております。快適通勤ムーブメントも一斉に取り組みを始めていきたいと考えております」

(関根千尋)