世界での経験が豊富なMICHI。その体験は一つの糧として、彼女の魅力を形成している

 女性アニソンシンガーのMICHIが28日に、4thシングル「I4U」をリリースした。弱冠21歳。元気はつらつとインタビューに応じてくれた。沖縄出身の彼女だが、歌声に島唄のイメージがあまり無いのも特徴といえる。彼女の魅力を形成している要素は一体何なのだろうか。そうした疑問への解答は、この取材の中で、東京への順応、アニソンだけではなく80年代から現在までの洋楽への傾倒、「アニメ」という世界共通語を使った対世界の経験などのトピックとして、次々と明らかになっていく。彼女、そして新譜の魅力に迫ってみた。

音楽的ルーツはアニソンと洋楽

MICHI

――まず自己紹介をお願いします。

 生まれも育ちも沖縄です。小さい頃から歌手になることが夢で。元々アニメが好きでした。高校生の時は『ゲータン』という、オタクメンバー女子4人組のグループを勝手に作って、『グータンヌーボ』(フジテレビ系・深夜の女子トーク番組)があったじゃないですか。それから、沖縄でオタクの事を「ゲッター」と若者方言で言うんです。その『グータンヌーボ』と「ゲッター」を合わせて「ゲータンヌーボ」。略して「ゲータン」と呼んでいました。

 そのメンバーでずっとオタク活動をしていました。アニメのオープニングやエンディングの映像を「ゲータン」の皆と大音量で観たりして。そこで友達が笑顔になっているのを見て、「私もこうやって皆を笑顔にできる、アニソンシンガーになりたい」と思ったのがアニソンシンガーになろうとしたきっかけです。

 その後、まだ沖縄に在住しているときに『六花の勇者』(2015年)というアニメのエンディングオーディションがあって、そこでトップバッターとして受けて、全力で歌わせて頂いたら合格する事ができました。念願叶ったのでニヤニヤがとまりませんでしたよ、3日間くらい。しかもサプライズでオープニングを担当する事も伝えられて、本当に信じられないぐらい嬉しかったです。これが私のデビューのきっかけです。

――アニメを好きになるきっかけは?

 NHKさんの『カードキャプターさくら』(1998年)がきっかけかもしれないです。私は再放送を見ていました。後は『だぁ!だぁ!だぁ!』(2000年)とか『学園アリス』(2004年)など、NHKさんのアニメにハマりまして。沖縄ってNHKさんを除いて放送局が3つしか無いんですよ。なので、アニメと言えば『ONE PIECE』や『NARUTO』といった王道のものしか放送してなかったんです。だから、私のアニメの原点はNHKさんなのかなと。(ちなみにMICHIは1996年生まれ)

 音楽は、アニソンと同じくらい洋楽をずっと聴いていました。お母さんが80年代の洋楽がすごく好きで。マライア・キャリーさんだったり、シンディ・ローパーさんだったり。「We Are The World」で歌唱している、アーティストさんの曲をよく聴いていました。家で常に流れていたんです。今でも聴きます。FM-FUJIさんでラジオのDJをやらせていただいていたときは、ジャクソン5とかを流していました。母がダンスのインストラクターをやっていたこともあり、常に音楽が溢れている家庭でした。

私には、お姉ちゃんと弟がいるんですけど。家でお姉ちゃんと洋楽を真似して歌って踊って、ということはやっていました。CDプレイヤーで音楽を流しながら、誰がメインを歌うかとか、誰がハモるか、とかでよく喧嘩していました。それぐらい小さい頃からずっと歌っていたんです。

 ドラマの『GREE』(合唱部員が主人公の人気米ドラマ。2009年放送開始、2015年終了)で、80年代の曲を今風にアレンジして披露するんです。そこからオリジナルを聴いてみよう、という人が友達にも結構いました。皆でマドンナとかをカラオケで歌ったりしていました。当時はアニソンか洋楽しか歌っていませんでしたね。それか、アニソンだけに絞って8時間歌うとか。

 Jポップもその年に流行ったものは聴きますし、良いなと思ったものは人とか関係なく聴いています。歌い方がすごく格好良いな、と思ったシンガーさんはSuperflyさんでした。アニソンシンガーになってからリスペクトしているのは、TRUEさんです。生歌を聴いて初めて鳥肌が立ちました。

MICHI

――実際デビューされてからは何か変わりましたか。

 もうワクワクは止まらないままです。デビュー2年目なので、子どもに例えるとまだ歩けるようになったばかり。まだまだ知らない事も、勉強しなきゃいけない事もたくさんあるので楽しいですね。意識や生活など全てにおいて変わったと思います。最初は夢見心地というか、「アニソンシンガーになったんだ!」って感じで何をしたら良いかも分からなくて、ただ楽しかっただけでした。そこから、何をしていかなければいけないか、歌の技術面やパフォーマンス力、ライブの向き合い方について深く考えるようになりました。

 手を広げているつもりでも全然広がっていなかったり。体全体を使ってパフォーマンスしなければいけない、という事に自分の映像を見て気づきました。見て、気付いて、直して、というのを繰り返しましたね。あとはボイトレも。今も磨いている最中ですけど、デビューの時よりも音域が上も下も広がったと思います。皆からよく言われるのが、声量が変わったという事ですかね。声の表現力も身に付いてきたと思います。それでもまだまだです。

――東京は沖縄と比べてどうですか?

 デビューが決まってから上京したので、東京に来てからも2年になります。寒くて、乾燥が凄いです。沖縄は島国だから、湿気があるんですよ。だから、今まで私は乾燥に悩まされた事がなかったんですけど、東京に来て喉も肌も乾燥しますね。あと「東京の人は冷たい」ってよく言われたりするじゃないですか。でも、思いやりのある人ばかり。電車に乗っていても、お年寄りや妊婦さんにすぐ席を譲ってあげる光景をよく見ます。素敵だなと思います。

 「子どもたちが都会だからのびのび出来ないのかな」という先入観を抱いてましたけど、そんなこともなかったです。活発な子やユニークな子が沢山いるなと。公園をウォーキングしている時とかにそう思いました。沖縄とあまり変わらないです。ただ沖縄は電車がないので、時間に迫られるという事があまり無いんですよ。バスも時間通りに来ないですし。東京は電車もバスも概ね時間通り来るから、沖縄に比べると皆さんに急いでいるような印象を受けました。でも、私はすごくせっかちなのであっているかもしれません。

――沖縄の好きなところは?

 海がきれいで、自然が多いところ。学校帰りに海に入りに行っていました。体育着で泳いで、制服で帰る感じなんです。だから体育の授業があることが私のなかでの絶対条件でした。服を着たまま海に入るの?と思われるかもしれませんが、沖縄の方は服のまま入ることが多いんですよ。

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