フィリピン・マニラにある警察署の隠し監房で、身柄を拘束されていたとみられる人たち(2017年4月27日撮影)。(c)AFP=時事/AFPBB News

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【AFP=時事】フィリピン政府の人権委員会が27日夜、首都マニラ(Manila)にある警察署を抜き打ちで訪問したところ、本棚の後ろに隠されていたクローゼットほどの広さの監房に男女10人が拘束されているのが発見された。ロドリゴ・ドゥテルテ(Rodrigo Duterte)大統領が進める「麻薬戦争」の下で拡大する人権侵害にさらなる警鐘を鳴らす事態だ。

 委員会のメンバーらは報道陣を連れ、マニラのスラム街にある警察署を抜き打ちで訪問。「ここにいる、ここにいる」という声が壁の向こう側から聞こえたため探したところ、本棚の裏に監房につながる隠し扉があったという。

 拘束されていた人々はよろめきながら飛び出すと、水を求めたり、委員会のメンバーらに置いていかないでくれと泣きながら懇願したりした。彼らは薬物の使用または密売の容疑で1週間ほど前に警察に身柄を拘束され、釈放と引き換えに多額の金銭を要求されていたという。

 抜き打ち検査を指揮した人権委員会の幹部はAFPに対し「彼らは薬物取り締まりという名目で拘束されたが、警察はまったく起訴手続きはしていなかった」と述べた。一方、警察署長のロべルト・ドミンゴ(Robert Domingo)氏は現場で報道陣に対し、前夜に身柄を拘束したばかりで訴追準備を進めているところだったと反論している。

 しかしフィリピン国家警察の報道官は、ドミンゴ署長を28日から停職処分とし、調査を行っていることを明らかにした。

 国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチ(Human Rights Watch)は今回の出来事について、ドゥテルテ大統領が進める「麻薬戦争」の下で人権侵害が拡大していることを示す新たな兆候だと批判している。
【翻訳編集】AFPBB News