アルルカン・暁(Vo)/撮影・seka

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4月15日・16日、新宿ReNY(東京)にてアルルカン 2 CONCEPTUAL ONEMAN TOUR「嘘と影-自分を保つ為の2つの顔-」のツアーファイナル公演が開催された。

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このツアーはタイトルの通り赤と黒、2種類のコンセプト、衣装で分けた2日間の公演を全国で行うという変わった試みとなっている。

赤と黒、3月1日にリリースされた2つのシングル『真っ赤な嘘』『影法師』にちなんでいるのはもちろんだが、もともと彼らのサウンドの中にある「切なさ」と「激しさ」、「キャッチーさ」と「ストイックさ」を色で表現するのであれば、こういう形になるのだろう。

1DAY(BLACK)

観客にも両日ドレスコードが設けられており、「黒」に身を包んだ”ダメ人間(アルルカンのファンの総称)”たちは、新宿ReNYのあるビジネス街のなかで異色の雰囲気を放っていた。

会場に入ると、黒い紗幕で覆われたステージが目に入る。アルルカンはこれからどんな「黒」を表現してくれるのだろうか。

客電が落ちると、ステージ含めて会場が包まれる中、堕門(Dr)のカウントが静かに響く。

ステージに柔らかな光が照らされると、そこにはすでに暁(Vo)、來堵(G)、奈緒(G)、祥平(B)、堕門が揃っており、『白い鬱』からライブはスタート。ステージとフロアにはまだ紗幕がかかったままだ。

そしてその”境界線”のような幕が落ち、「疑いながらも進んでいくーーその線の外側へ行くんだーー」という暁の声から『境界線』へ。

静かに、そして確実に熱を帯びていくフロア。そこに拍車をかけるように『in the dark』や『墓穴』を叩きつける。

「僕が作りたかった黒は、”なんとなくかっこいい”黒ではなかった」と、この日に対する暁のMCをはさみ、続いての『MAZE』や『像』といったアッパーチューンで更に盛り上げていく。

一転してミディアムナンバーの『カルマ』から『clepsydra』、『lullaby』へと続いていく。

MCでは「”赤”は自分の外側から感じる幸せを取り込む、”黒”は内側から自分が感じる不自由を薄める、という感じです」と説明し、「赤は(伝わることに)心配してないけど、黒は時間かかります」と伝え、「めんどくさいけどちゃんとついてきてください」とまとめた。

そして始まった『拒絶』、『imp』、ラストスパートといわんばかりに『ハッピーセット』、この日を象徴するような『影法師』を畳み掛ける。

「今日ここを選んでくれたことの意味を、お前たちのその声で教えてくれ!」と暁の叫びからの『クオリア』で締めくくるところだがーートラブルで再度仕切り直し、「僕たちが出来上がるには時間がかかります! 付き合ってくれるか!」と2度目の『クオリア』を放ち、暁の「思いっきり確かめ合おうぜ!」という言葉の通りにバンド、観客ともに全力で感情をぶつけ合うようなステージで幕を閉じた。

アンコールに応えて再びステージに現れるメンバー。先程『クオリア』での堕門の同期ミスや奈緒が揃いのツアーTシャツではないことをいじるという和やかな一幕を経て、再び『像』で盛り上がり、1日目は終了となった。

2DAY(RED)

SEが鳴り響き、メンバーが順番に登場し、最後に暁がゆっくりとステージにあらわれる。1曲目は『道化の華』、『omit』『SynonyM』と序盤から飛ばしていく。

前日同様この2DAYSの趣旨を暁が説明し「皆の欲しいものをしっかりとりにきてください、欲しかったものを持って帰ってください。良いですか?」と語るとフロアからは拍手がおきた。

『カレイドスコープ』、『エンヴィー』、そして『真っ赤な嘘』とアルルカンの”せつない”部分が際立つ曲が続き、『ステラ』『人形-ヒトガタ-』で再びヒートアップしていく。

「ただいま東京!」と祥平。「(MCは)苦手なんだけど、この場をお借りして。皆さんのお陰でツアーを回ることができました」と続けた。

「ここでメンバーひとりずつコメントをもらう?」と奈緒が提案。

「”楽しいにつきる”ツアーだったね。皆が最後まで盛り上がって良いツアーにしたいなという気持ち」と祥平のコメントから始まり、「ツアーを回ってきて、ここで思いっきり皆でとことん楽しもうという気持ちだけです、ありがとうございます」と堕門。

來堵は「このツアーでは自分に入り込みすぎて自分と向き合うことが多くて、良いツアーだったので皆にも感謝している」と語り、「一声ください」とフロアへ声を求めると、大きな反応が帰ってくる。そして「これが俺のツアーの結果です」とまとめると、さらに大きな拍手がおきた。

「そんなかっこいいことをされると喋りづらい(笑)」と奈緒。彼はこのツアーで黒の日は喋らずに、赤の日は自分を出すーーというように、コンセプトどおりに見せるつもりだったが、「自分は普段どんなライブをしてたのだろう?」と自問自答するようになり、結果セミファイナルで「俺のままで良いんだ」という答えにたどり着いたという。

そして「黒はわかりにくいけど(アルルカンのキャラクターを知っていたら)楽しめる、赤は単純に騒いで楽しめる。赤と黒、どっちがいいかではなくて黒ができるのは赤の空間のおかげ」と暁。

メンバーそれぞれにコメントした後「あとは騒ぐだけだよね! なあ」と祥平が堕門にふると、「もっともっと楽しもうぜ!」と堕門。そしてフロアとの煽りあいがスタートし、続いて『blind bud』、『ダメ人間』、『シオン』と駆け抜け、「もっと大きいところへ行こうな! 今持っているもんじゃ足りないから、いろんなものを見に行こう、今じゃ足りないよな!」と叫ぶ暁、「足りなーい!」と返すフロア。「じゃあ見に行こう!」と続け『パノラマ』へ。

『Utopia』を堂々と歌い上げ、「このツアーで”赤”と”黒”を分けたけど、両方やればいいんだなと思った」という暁。アルルカンが始まって徐々に忙しくなっていく中、一生懸命になりすぎて見えなくなっていたものも少なくなかったという。このツアーでそれを見つめ直すことができたとファンに感謝を述べた。

「バンドで確かめることのできたことをちゃんと形にするために、発信しなくてはならないから、これからも……”よろしくお願いします”は(自分の性格上)嫌だな」と言葉を選ぶ暁。奈緒とともに結びの言葉を相談し、「これから……、もその目で見て、信じるものがあればついてきてください。今まで通りその気にさせます」と結んだ。

ライブは終盤戦へ。『ジレンマ』、『Eclipse』を演奏し終えると、暁の口から11枚目のシングル『価値観の違いは唯一の救いだった』を告知。このシングルは表題曲と1年目にリリースした曲を再レコーディングした14曲の音源集付き、合計15曲の”シングル”になるという。今では入手困難曲を含めた1年目の曲を再レコーディングというのは奈緒たっての希望だったという。

このリリースにあたっての東名阪ワンマンツアー、続けて4周年ワンマンツアー「凸凹」も暁の口から発表された。

メンバーがステージから去り、幕が下りると『価値観の違いは唯一の救いだった』のMVがスクリーンに映され、大きな歓声が沸き起こる。

終演アナウンスが流れてもアンコールの声が鳴り止まないフロアに対して「(アンコール)いる?」と幕の向こうから暁の声。幕があがり、最後の最後は『MAZE』でこのツアーは締めくくられた。

『価値観の違いは唯一の救いだった』のアーティスト写真の、赤と黒が混在する衣装はアルルカン初期イメージを彷彿とさせるが、だからこそこの3年余りで大きく成長したということが感じられるように思えた。

「赤」と「黒」で改めて自らのアイデンティティを確認したアルルカンの今後が楽しみた。

セットリスト

15日(BLACK)

1.白い鬱
2.境界線
3.in the dark
4.「私」と"理解"
5.墓穴
6.MAZE
7.像
8.独白
9.カルマ
10.clepsydra
11.lullaby
12.暁
13.拒絶
14.imp
15.ハッピーセット
16.影法師
17.AN REC ODD
18.クオリア
(アンコール)
1.像

16日(RED)

1.道化ノ華
2.omit
3.gossip
4.SynonyM
5.カレイドスコープ
6.エンヴィー
7.真っ赤な嘘
8.ステラ
9.人形-ヒトガタ-
10.blind bud
11.ダメ人間
12.シオン
13.パノラマ
14.Utopia
15.リビドー
16.DROPLET
17.ジレンマ
18.Eclipse
(アンコール)
1.MAZE