「私、全然、テレビ見ないから、樹里ちゃんのこと、知らなかったの。第一印象は『顔が小っちゃい』。それで腰の位置が高くてさぁ。あ、でも、腰は低い人よ(笑)」

そう話すのは、4月からスタートしたNHK『ごごナマ』で、毎週火曜の料理コーナーを担当している料理愛好家・平野レミさん。料理番組のみならず、数多くのレシピ本を出版し、調理器具のプロデュースも手がけて、“料理愛好家”として不動の地位を築いてきた。その周囲には、個性豊かな人があふれている。

夫は『週刊文春』の表紙でおなじみのイラストレーター・和田誠さん(81)。次男・率さん(37)はクリエイティブ・ディレクター。その妻は、モデルで食育インストラクターの明日香さん(30)だ。昨年5月には、長男でロックバンド・TRICERATOPSのボーカル・和田唱さん(41)が、上田樹里さん(30)と結婚し、個性派家族に人気女優が加わった。レミさんによれば、樹里さんは「すっごい真面目」な人。

「樹里ちゃんは、最初から料理ができた。一人暮らしが長かったからじゃないかな。長いこと女優をしてきてるから、すっごい真面目に健康管理をしてて、健康や食べ物のことをとっても大事にしてる。立派よ、すごく」

姑と嫁2人の3人で、和田家のキッチンに立つことも少なくないという。

「これやっといてって言うと、樹里ちゃん、早いんだよね。あのコ、私よりせっかちみたい。私が作るのを手伝っていて、その材料が残ると、ちょちょっとディップなんかを作ってくれて。おいしいの。残りものと残りものを合体させて、作っちゃうの。手際もいいし、何より機転が利く」

レミさんは樹里さんと、よく電話で長話をするそうだ。「今日、何作るの?」とレミさんが聞くと、「レミさんの本の巻頭に出ている料理を作ろうと思います。材料、全部、買ってきました」と、樹里さんもうれしいことを言ってくれる。

「うちの唱がねぇ、外でご飯食べるの、大嫌いなんだって。家で食べたいって言うから、私と電話でしゃべっていても、樹里ちゃん、『そろそろ、唱さん帰ってきますから、電話切
りますよ』って。そんでご飯、作るんだって」

樹里さんはレミさんが刷り込んでおいたおふくろの味を再現して、唱さんの胃袋をガッチリつかんでいるのだろう。嫁姑の確執は、こと、和田家においては皆無のようだ。

「そもそもさ、私が嫁なんて思ってないの。奇麗なお姉さんが近所に引っ越してきたって思ってるの。確執ってのは、こっちが望むからじゃない?和田家に入ったら、こうしなさいとか、何もないからさ、うちは」

少し遠い目をしてレミさんはこう続ける。

「本当はね、女のコが欲しかったけどさ、でも、だから、こんな奇麗な女のコが2人もね、それぞれ向こうの親御さんが立派に育ててくれて、学費も食費もかからないで、そのままうちに来てくれたわけでしょ。それは本当にありがたい。2人のご実家に感謝よね」